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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 文章 > 三題噺 二十二!
「へいゆー、今日も元気に生きてるかーい!?」
うちのバンドの定石。
それは、ライブのトーク内で行われる、戯言のような約束。

私は趣味のバンドでドラムをやっている。
友人の友人が主催という知らないバンドで、ドラムを募集しているからと紹介してもらったものだ。

「先週の約束通り、ギターが新曲作ってくれましたー」
「っつーことで、次の曲行っくよー【親子鳥】」
くだんの無責任トークはベースが担当している。
ボーカルは歌が上手い割に口下手、作曲担当のギターも話が苦手。
そんな事情で、バンド内のムードメーカーに決まったのだが、これが意外に受けている。


 かるがも親子が泳いでた
 小さな池 近所の公園
 
 親の背中追っかけ泳ぐ 小さな雛
 見てないようで見てる親の目線
 
 いっつも先行く親の背中を
 追っかけ追いつく小さな俺
 いつかその背越えるまで
 親の背中眺めて泳ぐ

月に一度の定期ライブは合同開催で、今回は制限三曲までとなっている。
一番盛り上がる二曲目と三曲目の間に、長めのトークが入る構成が定期ライブの定石。
ちなみに先週は別バンドの記念で、前座として出演させてもらったのだ。

しかし練習できたのが結局三日というのは厳しい。
サビ直前の転調部分で間違えてしまった。

「じゃあ……今週は何にしよっかな」
――もう一曲頑張れー
――あの曲やってー
ベースの振りに、客席から声が上がる。
「はいはい、何かおもしろそーな声が聞こえたよ?」
そこ!とベースが一人の客を指差した。
指名された客は男で、少し酔っているらしい。
泥酔では入れないし、中ではアルコールを提供していないから軽く、なのだろうが。


「ドラムメインの曲聴きたい」

……は?

「おっけー。うん、ドラム上手いよね。って自画自賛ですが(笑)」
「じゃあ来月までに頑張ってきっまーす。三曲目行くよー!」


その三曲目を、私はちゃんと叩けた自信はない。
ただ、メンバーから大丈夫だった、と言われた事だけが救いだ。



完。
戯言って何だ。
お題は定石・戯言・ライブでした。
定石って何?戯言(たわごとと読むのが正しいらしい)って何とか思いながら普通のバンドにしてみました。
ライブ以外のお題、全部微妙だなw

あ、途中の詩は捏造です。
バラードにしか見えませんが、適当なアップテンポで各自歌ってください。
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プロフィール
書いている人:七海 和美
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更新少な目なサイトの1コンテンツだったはずが、独立コンテンツに。
PV数より共感が欲しい。
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