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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 文章 > 三題噺 十八
私は、重い足取りで校門をくぐった。

ここは自動車教習所。
私は普通免許を取るために学校に通っているのだ

交通標識、アクセルペダルとブレーキペダル、クラッチ。
色々あったが、割とすんなりとやってこれたと自負している。

そんな私の悩み事は、課題となっている車線変更である。
田舎育ちで片道一車線ですら広いと思うのに、左折専用レーンなんてありえない。
なのに、この教習所。
高速道路という元々車線数の多いところで、更に車線変更が必須課題になっているのだ。
その課題に使われる場所が、また問題なのである。


「もう……あんな道路ありえない」

「おっはよ。今日、高速道路教習?」
「おはよー。うん、元気に事故ってくるわー…」
憂鬱な顔で弱音を吐く私に声を掛けて来たのは、この教習所で知り合った友人だった。
「あはは、事故なんか起こしそうになったら先生が助けてくれるって」
私のブラックジョークを軽く笑い飛ばす。
そういえば彼女は、もう二回目の高速実習を終えたはずだった。

「あ、そだ」
「終わったらダーツバー行かない?」
「へ?この近くに……」
あったっけ?
専用のダーツなら常に鞄に入れているけれど。

彼女と仲良くなったきっかけ……それが、ダーツという趣味である。
彼女が落としたダーツを私が拾って渡したのが最初だった。

「あるよ。ってか見つけたの。駅前なんだけどねー」
「駅前かー。ごちゃごちゃしててまだよく分かんないんだけど」
あるなら行きたい。
彼女の腕前を、私はまだ知らないから。
私の下手さもまた、彼女は知らないのだけれど。

「だから、生きて帰ってきてよ?」
「うん、分かった。頑張るね!」

私は、彼女としっかり約束をして教習に向かった。



完。
お題はダーツバー・車線変更・校門でした。
へ!?とか思ったのですが、車線変更から自動車教習所を思いついたので何とか。
ちなみに車線変更なんて簡単じゃないかと免許持って長い方は思うかもしれませんが。
大阪に妙な場所があるそうです。
目的地によっては、わずか数百mの間に端から端まで突っ切っていくという高速道路が。
環状線かな?西名阪?詳しくは知らないのですが。
そんな場所を思い浮かべてみました。

あ、そのうち関西弁キャラ出そうか←
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書いている人:七海 和美
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更新少な目なサイトの1コンテンツだったはずが、独立コンテンツに。
PV数より共感が欲しい。
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