気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 文章 > 三題噺 四十二
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「おい、晩飯は春巻きらしいぞ」
「おお、まじか」
俺は読んでいたマンガから顔を上げて、同僚に確認する。
「マジ、マジ。今日の烹炊担当が巻いてたんだ」
春巻きは揚げるために油を多く使い、また中の具は野菜や肉が豊富。
そのため、あまり頻繁に食料を調達できない船の上ではご馳走に分類される。
船の上……そう、俺たちは今、巨大な船に乗っている。
まああと一週間ほどで、この生活も終わるのだが。
「ところで何読んでるんだ?お前」
「ん?これは『ジパング』」
俺は青い背景に白い制服が特徴的な表紙を見せながら言う。
海上自衛隊の艦隊が第二次世界大戦中の世界にタイムスリップするという話だ。
「やっぱ戦争モノ面白いわ」
「そっか。あれ、こないだ読んでた小説は?」
「こないだ……ああ、『亡国のイージス』か」
問われて、俺は最近に読んだ小説を思い出す。
『ジパング』の前に読んだのは『エリア88』は漫画。
ちなみに推定最終巻を含めて終盤四巻ほどがなく、消化不良を起こしてしまった。
「終わったよ。なかなか面白かった。ちょっと登場人物多くてややこしいけどな」
「面白かったんだ。じゃあ俺も読んでみよ」
友人の言葉に、俺も頷いて「アレはお勧め」と返す。
と、その時。
艦内サイレンがウーーーーーーーーと唸り始めた。
【駆逐艦発見。総員、直ちに配置につけ】
サイレンに続いたマイクの声に、俺たちは床に置いていた制帽を取って立ち上がった。
「じゃ、生きて帰ってこいよ」
「おう、お前もな」
「『ジパング』読み終わるまでは死ねねーよ。春巻きちゃんも待ってるし」
あはは、と笑い合って部屋を出る。
さあ、大海上戦争の始まりだ。
完。
お題は駆逐艦・マンガ・春巻でした。
えーと、春巻き?とか思いつつ、わざと軽めに仕上げてみました。
出てくる本が全て戦争ものなのもわざとです。
しかし「亡国」以外読んだことないのですが。
戦争モノでは四作目かな?
「おお、まじか」
俺は読んでいたマンガから顔を上げて、同僚に確認する。
「マジ、マジ。今日の烹炊担当が巻いてたんだ」
春巻きは揚げるために油を多く使い、また中の具は野菜や肉が豊富。
そのため、あまり頻繁に食料を調達できない船の上ではご馳走に分類される。
船の上……そう、俺たちは今、巨大な船に乗っている。
まああと一週間ほどで、この生活も終わるのだが。
「ところで何読んでるんだ?お前」
「ん?これは『ジパング』」
俺は青い背景に白い制服が特徴的な表紙を見せながら言う。
海上自衛隊の艦隊が第二次世界大戦中の世界にタイムスリップするという話だ。
「やっぱ戦争モノ面白いわ」
「そっか。あれ、こないだ読んでた小説は?」
「こないだ……ああ、『亡国のイージス』か」
問われて、俺は最近に読んだ小説を思い出す。
『ジパング』の前に読んだのは『エリア88』は漫画。
ちなみに推定最終巻を含めて終盤四巻ほどがなく、消化不良を起こしてしまった。
「終わったよ。なかなか面白かった。ちょっと登場人物多くてややこしいけどな」
「面白かったんだ。じゃあ俺も読んでみよ」
友人の言葉に、俺も頷いて「アレはお勧め」と返す。
と、その時。
艦内サイレンがウーーーーーーーーと唸り始めた。
【駆逐艦発見。総員、直ちに配置につけ】
サイレンに続いたマイクの声に、俺たちは床に置いていた制帽を取って立ち上がった。
「じゃ、生きて帰ってこいよ」
「おう、お前もな」
「『ジパング』読み終わるまでは死ねねーよ。春巻きちゃんも待ってるし」
あはは、と笑い合って部屋を出る。
さあ、大海上戦争の始まりだ。
完。
お題は駆逐艦・マンガ・春巻でした。
えーと、春巻き?とか思いつつ、わざと軽めに仕上げてみました。
出てくる本が全て戦争ものなのもわざとです。
しかし「亡国」以外読んだことないのですが。
戦争モノでは四作目かな?
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書いている人:七海 和美
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更新少な目なサイトの1コンテンツだったはずが、独立コンテンツに。
PV数より共感が欲しい。
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