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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 美術鑑賞 > 美術鑑賞:ジャコメッティ展
彫刻家のアルベルト・ジャコメッティの特別展を見に、愛知県にある豊田市立美術館に行きました。



こちらは美術館の鑑賞記事です。
記憶を頼りに書いていたら、驚くほど長くなりました。
和美です。

【目次】

  1. 事前の話と到着までのあれこれ
  2. 特別展:彫刻
  3. 特別展:美術館エントランス
  4. 特別展:哲学者
  5. 特別展:絵
  6. 別館
  7. 外側
  8. 常設展
  9. 売店
  10. 帰り

事前の話と到着までのあれこれ

知った時は東京会場で開催中だったので、当時開催中だったアルチンボルド展と一緒に行こうかと思っていたのですが……検索したところ巡回展を見つけたので、アルチンボルドは切り捨てました。
興味はあるのですけれどね……。

東京は夜行バスか新幹線しか選択肢がありませんが、愛知県だと近鉄特急が使えるので当日思い立ったら行ける場所なのです。一応。
(新幹線より一時間遅いですが、半額以下です)

近鉄特急より高速バスの方が安いと気づいたので当日券を取ろうとしたのですが……。
乗りたい時間の乗車券が完売してしまったので、諦めて新幹線にしました。

名古屋駅から……乗り間違いと乗り過ごしを重ねて、結局倍以上の運賃と時間が掛かってしまいました。
検索のためにも携帯の充電大事。
次のバス取った方が絶対早かった。

豊田市美術館は、数年前にフランシスコ・ベーコンという画家を目当てに行った事があるのですが、場所は記憶の彼方です。
駅からバスに乗る予定が、案内板に誘導されるまま、結局徒歩で到着しました。


特別展:彫刻

本題、ジャコメッティ展。
……不思議な考え方をする人だなぁ。というのが最初の感想です。

対象の物と自分の間に距離があるため、対象の物を実物大に描けない。という事に生涯悩んだようです。
実物大に描けないため、距離を把握しながら作ると形が小さくなり過ぎて、制作途中で壊れてしまうほどだとか。
仕方なく自分で【彫刻は1m以上】と制限を設けて制作を再開した辺り、そこまで小さくなってしまうものなのかと不思議でした。

ジャコメッティは、大阪市立近代美術館準備室が所蔵する《鼻》を繰り返し鑑賞したため覚えたのですが。
(今回も出展されていました)
ジャコメッティの中では例外的な作品に当たるようです。
冬休み中に何度もデッサンした事がきっかけで頭蓋骨に執着を抱いていたそうなので、その影響なのかな。
『執着していた』という説明文の割には、頭蓋骨に取材した作品が他に全く見当たらなくて謎でした。

《鼻》もそうですが、ブロンズ製の割にものすごく「作った跡」というか、制作の行程が見えるような表面が気になっていました。
ブロンズ像は、型に溶かした金属を流し込んで作るはずなので、作った跡はあまり残らないと思うのです。

アトリエで実際に制作の行程を見た美術評論家によると。
粘土で形を作る→気に入った形ができたら石膏型を取る→粘土はまた形を変える→気に入った形ができたら石膏型を取る
と、同じ粘土で何度も形を変えて作っていたそうです。
現在残っているブロンズ像は、石膏型から鋳造しているそう。
元の粘土の時の形が残っているのですね。

ちなみに石膏型を取ってブロンズ像を鋳造するのは弟の仕事だったそうです。
こちらも鋳造家として長く活動したそうなので、一度見てみたいものです。

代表作らしい《アヴィニョンの女たち》はその方法で作られた九体の女性像です。
……制作方法から見ると、この九人は姉妹かクローンになるのでは……。
と現代科学的な反応をしてしまいました。

特別展:美術館エントランス用

写真撮影可能コーナーがありました。
美術館のエントランスを飾るために制作された、馬、猫、犬、人があり、そのうち馬は鋳造されなかったため、馬以外の作品が残っています。
……石膏型を残すのは難しいのでしょうか。

猫は同じアパートに住む弟が飼っていて、猫が毎朝ジャコメッティに顔を近づけて起こしに来るから、猫の顔しか作れないという謎の解説があり、顔以外は棒のような骨組みだけでした。
ダックスフンドのような犬は、細いながら猫よりはまともな太さがあったのですが、モデルは不明との事。

特別展:哲学者

ジャコメッティを日本に紹介した哲学者は、ジャコメッティとも仲が良かったそうで、一章を割いて交流の紹介がありました。
長時間同じポーズを取らせるため、ジャコメッティのモデルは家族、友人などごく親しい関係に限られていたとは他の章の解説にありましたが、連続で七十二日間だったそうです……。

ジャコメッティも何度も来て欲しいと頼んでおり、哲学者も要望に応えて幾度か渡欧しているのですが。
最後の二年間はジャコメッティの希望にも関わらず全く行かなかったそうで、二人の間に何があったのか気になります。

特別展:絵

セザンヌの静物画との比較もありました。
ジャコメッティが憧れていたそうで、二人ともりんごをよく描き、モデルを長時間拘束するという共通点があるそう。
……セザンヌって人物画も描いていたのですね……。
なぜか静物画以外見た事がないのに気がつきました。
よく思い出すと、大阪市立近代美術館準備室と損保ジャパン日本興亜東郷青児記念美術館(現名称)の合計二作品しか記憶にないのかな……?

最終章は絵。
早く描けるから、とエッチング用の鉛筆を愛用していたようで、すごく惹かれました。
『永遠のパリ』という題名で、大判の画集を出版する計画があったそうです。
(発売はジャコメッティの死後)

特別展はそんなところかなー。
別館で他の人の特別展が開催されていました。

別館

別館は漆工芸家であった高橋 節郎の作品だけを展示する場所でした。
正直一番良かったのは、数点あった普通の絵と、入口にあった彫刻でした。
漆工芸家……というより蒔絵が目立ちます。
技術は素晴らしいのですが、センスも画力も和美とは合いませんでした。
モチーフが簡略化された鹿、土偶、ぐらいしかなく、数と配置が違うだけの作品が多いという……。

ピアノ、フルートを装飾した作品もありましたが、演奏されない楽器の意義って何なんでしょう。

途中にあった作品に、『豊田市美術館を開館させるため、この地にあった小学校が移転した』という説明がありました。
坂の上に美術館があるので小学生は不便だったのかな、とも思いますが……市立美術館を開館させるためって……と市政に疑問符です。

外側

別館に行く途中に広がる、道からの美術館が絶景です。

という事でついでに外の展示作品も。
毛糸玉という作品がなかなかに特徴的でしたが、その次にヘンリー・ムーアがいたので記憶が飛びました。
父が好きな彫刻家です。

又日亭ゆうじつていという古い建物もありましたが……中が見られないので、何がすごいのかは理解不能。

近くの丘に石碑もありましたが、説明文がないので全く文字も内容も読み取れず断念しました。

もう少し先にも石碑があるようですが、時間もあるので諦めました。
又日亭ゆうじつていから戻る時、噴水のある池を手前に、後ろの美術館が夕陽に照らされてすごく綺麗でした。

谷口吉生という全く知らない建築家の設計ですが、角度は計算されていたのかな……と思います。


常設展

記憶が既に怪しいのですが、姫路市立美術館で特別展が開催される予定の刺繍作家の方の作品が本館で常設展示されていました。
ほのぼのしていて、見ると穏やかな気持ちになりますが、お金を払って姫路市(すごく遠い)まで見に行く程ではないなぁ、という感想です。

あと、どこかの施設の障害者アートもありました。
うまくまとめてある作品もありましたが、やっぱりサヴァン症候群みたいなのって少ないのですね……。(当たり前)
芸術の専門指導を受けていない人の作品:アールブリュットが多分苦手です。

他にも普通の常設展があったのですが、記憶が……㍍⊃

売店

売店では、なぜかテンポドロップを見つけたので衝動買いしました。
もちろん図録も買ったのですごく重かったです……。
謎のクッキーが値下げと書かれていたので欲しかったのですが、売り切れてしまっていました。

テンポドロップは説明が長いので記事を分けます。
テンポドロップを買いました

帰り

行きとは違って迷いませんでしたが、人身事故に巻き込まれて乗った電車が発車しなかったので、変な経路で帰りました……。
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更新少な目なサイトの1コンテンツだったはずが、独立コンテンツに。
PV数より共感が欲しい。
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