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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 美術鑑賞 > 京都四軒
十五日土曜日、慌てて美術館展に行きました。
まさかの四軒です。

1、京都国立博物館@鳥獣戯画と高山寺
うっかり電車を乗り逃して九時半に到着したら、180分+90分(甲巻)待ち時間ェ……。
朝は開館二時間前にあたる午前七時時点で十人程が並び始めるそうなので、そもそも行った時間が遅すぎたようですが……。
丙巻かな?も並んでいたので、列が短かった乙巻丁巻だけ見ました。
時間ないし。

そして同じ博物館の別館で開催していた「京(みやこ)へのいざない」展は諦めました……。
翌日が休日となる金曜日に開館時間を延長するという美術館は増えてきましたが、兵庫県立美術館みたいに「特別展を開催している期間は開館時間を延長する」とすべきだと思います。
ちなみに金曜日夜は七時までに並ぶと閉館時間後でも鑑賞できたようですが。
しかしこの中の何割が年間に三回以上美術館に行っているんでしょうね!

あと、列の並べ方も下手でした。
コミケスタッフの対応が神と賞賛される理由が分かった気がします。
コミケで五人が横並び=一列に五人きっちり並べる
一般イベントで五人横並び=四人〜六人が適当に並ぶ(努力目標)
みたいですね。

そしてそもそも高山寺で開催しないんですかね、コレ。
高山寺なるお寺がどこにあるんだか知りませんが、重要文書とかを外に持ち出すの、あんまり好ましいとは思えません。
高山寺所縁の真っ白な仏像が陳列されていて、ものすごく綺麗でした。
鳥獣戯画は……人やら動物やら本当に色々なものが描かれていたのですが。
わざわざ絵の上に所有印押さなくても。
紙の継ぎ目の上下に機械的に押したようで、絵の上になっているものがチラホラありました……。

と、最後に狩野派の絵師が修理を担当した時に控えていた模写も展示されていまして。
……数ヶ所亡失しているそうですよ、鳥獣戯画。
鳥獣戯画の作者:明恵上人は高山寺開祖らしいですし、ちゃんと管理しろやと思いました。

今回は全ての美術館で絵葉書を買っていません。
金欠です。涙。

2、京都近代美術館@ホイッスラー展。
この特別展が十六日までだったのですよ……。ぐぬぬ。
しかも、大事に取っておいた関西ミュージアムぐるっとパスを出したら、一般料金専用だと言われてしまいました……。
(鳥獣戯画と高山寺展では利用不可。書いとけ!!)
和美は学生料金なので、件のパスを使うより学生料金の方が安くなるのです。ぐぬぬ。
(初回利用日から三ヶ月有効で、美術館や博物館の料金が安くなる。千円)

ホイッスラーは洋画家です。(外国語の名前は洋画家以外知りませんがw)
彼が目指した「芸術のための芸術」は結構共感できました。
古典的な静物画だと、花は若さの象徴だとか、「これとこれを組み合わせたこの静物画で、この画家はこんな主張がしたかったんだ!」とか意味の分からない解釈が出てくるのです……。
(古典的な絵も好きですよ。念のため)
ただ、政治、宗教と並んで排除されたものの中に「好み」もあって、それは画家の主張として残しておかなきゃいけないんじゃないの?とは思いました。
なぜか素描のほとんどに顔が描かれていなくて、顔に興味なかったのかなあ?と感じました。
茫洋とした絵は印象派っぽいですね。
青写真を英語でサイノアタイプと呼ぶそうなのですが、写真なら写真って書いとけよ!!!と思いました。
リアルな絵柄の人だとほんとにどっちか分からなくなるのです……。

ずっとサブバッグを探していたのですが、ホイッスラー展で売っていたのが頑丈かつ使いやすそうで、ついでに買いました。
ホイッスラーの髭と横顔をデザイン化して、サインを入れたものです。
両面に絵があるのでどちらが表か迷う事もなく、マチがあるので自立します。
……晩年はイニシャルのWとJを図案化した蝶のサインを使っていたそうなので、そのサインを入れてほしかったなあ。

ついでに常設展も。
……えーと、「フランス絵画と印象派展」ですかここは?
と言いたくなるような展示内容が半分を占めていました。
年代はマティスとかレオナール・フジタとかその辺です。
有名なポスター画家なのですが、いつ見てもロートレックのすごさが分かりません……。
もう半分は日本画が多くて、まだ常設展って感じでした。
……順路が分からなくて適当に見て回っていたら説明が飛び飛びになってしまって見辛かったです。
そうそう。
印象派の画家達が浮世絵を収集していたのは今に続くクール・ジャパンの源流とかそんな説明があったのですが。
浮世絵が海外に渡るきっかけは、陶芸の梱包材としてだったという話を聞いた事があります。
……この頃から日本って海外の製品展開が下手だったんだなあと思うと泣けてきました。
海賊版と違法ダウンロードで広まったため制作元にお金が入らない現状と、よく似ていませんか。
真ん中で現代美術。……はよく分からないのでパス。
端っこでデザイナーが作った工芸作品も展示されていたのですが……もうちょっとマシなデザインできたんじゃないの?と思うのが数点。
銀製のコーヒーセットが八作品ぐらい並べて展示してあるので、どうしても見比べてしまうのですよね。

3、京都市立美術館@華麗なるジャポニズム展
ホイッスラーの正面にある美術館で開催していて、相互割引を使うと少しだけ安くなります。
浮世絵もそこそこ見に行くのですが、浮世絵における透視法の考え方を解説しているのは初めて見た気がします。
景色を近景と遠景の二つに分ける(近景と遠景は連続していない)とか、手前は俯瞰、奥は遠景で描くとか。

白黒の富嶽三十六景が微妙でした。
あれは青が綺麗なのですよ!!

あと西洋ってシンメトリー(左右対称)を中心とする「調和」の文化なのですかね。
真ん中にどんっと主題を置くより、左右どちらかに寄せて置いた方が綺麗に見えるというのは浮世絵からの引用だそうです。
画面から物をはみ出させて広さを演出するとか。
(作例として出ていたのはモネでしたが、カイユボットを思い出しました)
国民性と絵の描き方が真逆で面白いです。

日本趣味に便乗して作られた着物っぽいドレスもありましたが……着物は何より「手を隠す」のが大事だと思います。
袖が短い着物って存外に微妙でした。

最後にモネの睡蓮シリーズがいくつかあって、美術の教科書で見て以来ずっと一番好きな構図に似たのが出品されていて嬉しかったです。
あれも日本趣味の一つなのか……。

グッズにラ・ジャポネーズの団扇が売っていたのですが。
「暑い今、便利な団扇」って…東京・名古屋巡回時のポップ使い回したな……。
(コートがいるぐらい寒い季節です。念のため)(買いましたが……)

同じ美術館で「水彩展」という入場無料の美術展があったのでついでに寄りました。
……「水彩」って「水彩画」ではないようです。謎。
ホルベイン賞を中心に、絵は綺麗でしたが、どこからどう見ても油彩な絵が多かったです。
文部科学大臣賞受賞作品が微妙でした。
あとめちゃくちゃ綺麗なのになぜか無冠とか。

4、えきKYOTO@歌川国芳
翌週までだったので頑張って行きました。
京都伊勢丹の中にあるので閉館時間が遅くて良いですね。
何枚か見た事のある絵がありました。
ってーか、「見かけは悪いがとんだいい人だ」の人か。(覚えられない)
(褌一枚の人が集まって一人の人を作り上げている有名な絵です)
「三狐物語」……だったかな?中国の妲己、インドの誰か、日本の玉藻前という名前で王朝を滅ぼしてきた狐の話も出ていました。
実はこの伝説は日本で完成したらしいのですが、原作あるのですよね。読みたいなあ。
滝沢(曲亭)馬琴も過去に南総里見八犬伝を一度読んだきりなのですが、他も読んだ方が良いのかな(汗)
猫がいっぱいで楽しかったです。(総評)
そうそう。
歌川広重って三代目もいるのですね……。
二代目までは存在を知っていて疑問に思っていたのですが、襲名制度なんですかね……?

以上です。
翌日の簿記はボロボロでした。

……あんまりにも長くなったので、分割するかもしれませんw
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