気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
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中之島香雪美術館で鳥獣戯画が展示されていると知ったので、三月二十四日の午後、突発で明恵上人の特別展を見てきました。
こんにちは、和美です。
そんな美術館鑑賞記事です。
感想記事:ボルタンスキー展
朝から行ったのですが、人も少なかったため午前中に見終わりました。
その後、予定があるという友人と別れて帰るために駅に行ったら、特別展のポスターと共に書かれた 『 国宝 鳥獣戯画も特別公開!』 の文字につられて、初めての中之島香雪美術館となりました。
美術館の名前に「中之島」と地名がつく通り、兵庫県御影に本館の「香雪美術館」があります。
名前の 『 香雪 』 は朝日新聞の創業者:村山 龍平の雅号で、美術館も本人の蒐集品です。
中之島は昨年、一年間を五期に分けて開館記念特別展が開催されていた、出来立てほやほやの美術館です。
第一期と第二期は行きたかったのですが …… 場所を調べ忘れて逃しました!
場所を知ったのが第三期開催期間中で茶器、第四期が仏画、と興味の持てないテーマが続いたのでした。
最後の第五期は絵巻物と書だったようなので行ってみれば良かったと思いました。今。
特別展は展示替え前の前期で、鳥獣戯画もまだ前期で有名な甲巻でした。
以前京都国立博物館で開催されていた、 『 修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺 』 展で見たような気がします。
過去記事:京都四軒
( 記事を読み返したら、全巻展示のうち乙・丙巻だけを見たようですね。
というか、丙巻もこの時に見たのか ……)
横にあった英訳で甲巻をvolume1と翻訳されていて、『 甲巻 』から想像される『 最大でも四巻 』が出て来ないと思うのですが、ともやもやしました。
鳥獣戯画は甲・乙・丙・丁の四巻あるから一番目が甲巻とついているのです。
他の例では、上巻で始まったら上中下か上下しか組み合わせはないので、最大でも三巻です。
Volume1からでは、何巻で終わるのか見当もつきません。
そんな英語のぼやきはさて置いて。
鳥獣戯画は正式名称が 『 鳥獣人間戯画 』で、丙巻は人間だと今回初めて知りました。
(上述の 『 修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺 』展で見た記憶がさっぱり残っていませんでした ……)
甲乙巻は同じ一枚の紙の表裏を薄く剥がした、『 合い剥ぎ 』 という技術を使っているので同じ年代の同一作者、丙丁巻は別人が描いたというのが定説だそうですが。
ちなみにこの『 合い剥ぎ 』という技術を、和美は立ち読みしたコンビニ漫画(題名失念)で知ったので、名前が出て来るたびにびっくりしてしまいます。
今回の特別展の題名は 『 明恵上人の夢 』 です。
表題の 『 夢 』 とは、明恵上人が見た夢の内容と、その夢から考えた仏教の教えについて書かれた記録です。
実は、告知画像にも黒地に白文字で 『 四十年間、自分の見た夢を書き続けた高僧 』と書いてあります。
夢の記録は十九歳の時から毎日ではないものの、晩年までつけ続けてられていて、遺言では焼き棄てるように、との指示があったそう。
展示は数篇だけですし、莫大な記録の全てを香雪美術館が所蔵している訳ではないのですが。
明恵上人は、高山寺というお寺にとって歴代の住職の中でも重要な人であるはずです。
その意向を無視して夢記を遺したのはさておき、その夢記を売却した(と推測される)事実に驚きを隠せません。
午前中に国立国際美術館で見たボルタンスキー展は映像や立体作品だったので、単眼鏡を忘れても問題なかったのですが。
こちらは絵や書の展示が多く、単眼鏡が必要でした ……。
ガラスに顔を貼り付けて見ていましたが、近眼には限界があります。
明恵上人が重視していた春和夜神という神様が繰り返し出てきていたのが印象的でした。
なので、創業者である村山 龍平の生涯の解説コーナーがありました。
芸術方面に理解を示す人は基本的に全員素晴らしい人だと思っていますが、高校野球を開催した事に関しては失策としか思えません。
阪神タイガースの本拠地である甲子園から出て行ってくれればまだしも …… とも思いましたが、私が高校野球を大嫌いになったのはNHK(教育)が通常番組を潰して放送するからなのでした。
現地で見るならまだしも、TVで見るのは高校野球好きではなくただの暇人です。
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美術館最後の展示は、本館にある茶室を複製した、展示用の茶室「中之島玄庵」でした。
展示用なので一面の壁がなく、茶室に入らなくても中の部屋が見えるようになっています。
元になった本館にある旧村山邸の茶室「玄庵」は、藪内流家元の茶室「燕庵」を複製して作られたうちの一つで、同じ写しの茶室が合計三軒ほどあるそう。
本来、写しを建てられるのは藪内流の弟子の中でも家元となった人だけなので、家元となっていない村山龍平は例外だそう。
元の茶室「燕庵」が潰れてしまった時、写しの中から一番綺麗に残っている茶室を移築するように、という遺言が藪内流にはあるんだとか。
…… ちなみに元の「燕庵」と美術館の隣に建つ「玄庵」とも同格の重要文化財です。
招かれた客人の付き人が待機するための部屋がある事が特徴だそうですが、茶室はにじり口(と呼ばれる半畳ぐらいの狭い入り口)から屈んで入ったら、そのお茶席では全員が平等、という信念を聞いた事があるので、付き人が待つ部屋があるというのは正しい茶道から外れているように感じてしまいました。
一応、にじり口から入らなくて良いという立場もあるにはありますが …… 具体的な条件は忘れてしまいましたが、褒章受章者などかなり特殊な立場です。
( 文化勲章を受章していても、人間的に素晴らしいかどうかは全く別の問題ですし )
お茶は習いたいですし、すごく興味はあるのですが、茶器でも焼き物はさっぱり理解できません。
本館にある茶室「玄庵」は時々公開されているようなので、いつか行きたいです。
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中之島香雪美術館で鳥獣戯画が展示されていると知ったので、三月二十四日の午後、突発で明恵上人の特別展を見てきました。
こんにちは、和美です。
そんな美術館鑑賞記事です。
【目次】
- きっかけ
- 中之島香雪美術館
- 特別展の感想
- 特別コーナー感想
- 茶室
- 次回開催
1. きっかけ
大阪中之島にある国立国際美術館で、友人に誘われて『 クリスチャン・ボルタンスキー 』 展を見に行きました。感想記事:ボルタンスキー展
朝から行ったのですが、人も少なかったため午前中に見終わりました。
その後、予定があるという友人と別れて帰るために駅に行ったら、特別展のポスターと共に書かれた 『 国宝 鳥獣戯画も特別公開!』 の文字につられて、初めての中之島香雪美術館となりました。
2. 中之島香雪美術館
美術館の名前に「中之島」と地名がつく通り、兵庫県御影に本館の「香雪美術館」があります。
名前の 『 香雪 』 は朝日新聞の創業者:村山 龍平の雅号で、美術館も本人の蒐集品です。
中之島は昨年、一年間を五期に分けて開館記念特別展が開催されていた、出来立てほやほやの美術館です。
第一期と第二期は行きたかったのですが …… 場所を調べ忘れて逃しました!
場所を知ったのが第三期開催期間中で茶器、第四期が仏画、と興味の持てないテーマが続いたのでした。
最後の第五期は絵巻物と書だったようなので行ってみれば良かったと思いました。今。
3. 特別展の感想
特別展は展示替え前の前期で、鳥獣戯画もまだ前期で有名な甲巻でした。
以前京都国立博物館で開催されていた、 『 修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺 』 展で見たような気がします。
過去記事:京都四軒
( 記事を読み返したら、全巻展示のうち乙・丙巻だけを見たようですね。
というか、丙巻もこの時に見たのか ……)
横にあった英訳で甲巻をvolume1と翻訳されていて、『 甲巻 』から想像される『 最大でも四巻 』が出て来ないと思うのですが、ともやもやしました。
鳥獣戯画は甲・乙・丙・丁の四巻あるから一番目が甲巻とついているのです。
他の例では、上巻で始まったら上中下か上下しか組み合わせはないので、最大でも三巻です。
Volume1からでは、何巻で終わるのか見当もつきません。
そんな英語のぼやきはさて置いて。
鳥獣戯画は正式名称が 『 鳥獣人間戯画 』で、丙巻は人間だと今回初めて知りました。
(上述の 『 修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺 』展で見た記憶がさっぱり残っていませんでした ……)
甲乙巻は同じ一枚の紙の表裏を薄く剥がした、『 合い剥ぎ 』 という技術を使っているので同じ年代の同一作者、丙丁巻は別人が描いたというのが定説だそうですが。
ちなみにこの『 合い剥ぎ 』という技術を、和美は立ち読みしたコンビニ漫画(題名失念)で知ったので、名前が出て来るたびにびっくりしてしまいます。
今回の特別展の題名は 『 明恵上人の夢 』 です。
表題の 『 夢 』 とは、明恵上人が見た夢の内容と、その夢から考えた仏教の教えについて書かれた記録です。
実は、告知画像にも黒地に白文字で 『 四十年間、自分の見た夢を書き続けた高僧 』と書いてあります。
夢の記録は十九歳の時から毎日ではないものの、晩年までつけ続けてられていて、遺言では焼き棄てるように、との指示があったそう。
展示は数篇だけですし、莫大な記録の全てを香雪美術館が所蔵している訳ではないのですが。
明恵上人は、高山寺というお寺にとって歴代の住職の中でも重要な人であるはずです。
その意向を無視して夢記を遺したのはさておき、その夢記を売却した(と推測される)事実に驚きを隠せません。
午前中に国立国際美術館で見たボルタンスキー展は映像や立体作品だったので、単眼鏡を忘れても問題なかったのですが。
こちらは絵や書の展示が多く、単眼鏡が必要でした ……。
ガラスに顔を貼り付けて見ていましたが、近眼には限界があります。
明恵上人が重視していた春和夜神という神様が繰り返し出てきていたのが印象的でした。
4. 特別コーナーの感想
前述の通り香雪美術館は朝日新聞の創業者の蒐集品です。なので、創業者である村山 龍平の生涯の解説コーナーがありました。
芸術方面に理解を示す人は基本的に全員素晴らしい人だと思っていますが、高校野球を開催した事に関しては失策としか思えません。
阪神タイガースの本拠地である甲子園から出て行ってくれればまだしも …… とも思いましたが、私が高校野球を大嫌いになったのはNHK(教育)が通常番組を潰して放送するからなのでした。
現地で見るならまだしも、TVで見るのは高校野球好きではなくただの暇人です。
5. 茶室
美術館最後の展示は、本館にある茶室を複製した、展示用の茶室「中之島玄庵」でした。
展示用なので一面の壁がなく、茶室に入らなくても中の部屋が見えるようになっています。
元になった本館にある旧村山邸の茶室「玄庵」は、藪内流家元の茶室「燕庵」を複製して作られたうちの一つで、同じ写しの茶室が合計三軒ほどあるそう。
本来、写しを建てられるのは藪内流の弟子の中でも家元となった人だけなので、家元となっていない村山龍平は例外だそう。
元の茶室「燕庵」が潰れてしまった時、写しの中から一番綺麗に残っている茶室を移築するように、という遺言が藪内流にはあるんだとか。
…… ちなみに元の「燕庵」と美術館の隣に建つ「玄庵」とも同格の重要文化財です。
招かれた客人の付き人が待機するための部屋がある事が特徴だそうですが、茶室はにじり口(と呼ばれる半畳ぐらいの狭い入り口)から屈んで入ったら、そのお茶席では全員が平等、という信念を聞いた事があるので、付き人が待つ部屋があるというのは正しい茶道から外れているように感じてしまいました。
一応、にじり口から入らなくて良いという立場もあるにはありますが …… 具体的な条件は忘れてしまいましたが、褒章受章者などかなり特殊な立場です。
( 文化勲章を受章していても、人間的に素晴らしいかどうかは全く別の問題ですし )
5. 次回開催
本館の香雪美術館は次が能舞台のお面など、中之島香雪美術館の次はお茶の焼き物らしいのでどちらも行かない予定です。お茶は習いたいですし、すごく興味はあるのですが、茶器でも焼き物はさっぱり理解できません。
本館にある茶室「玄庵」は時々公開されているようなので、いつか行きたいです。
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