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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 美術鑑賞 > 天上の虹展


完結まで読み切って集め切った漫画は意外と少ないです。
こんにちは、和美です。

奈良万葉文化館で開催されていた 『 マンガで語る古代大和 ー 学術と創造の融合 ー』 展に行きました。

【目次】

  1. 特別展の概要
  2. 漫画の概要
  3. 特別展の感想
  4. その他の施設
  5. 帰り際に

1. 特別展の概要

特別展の題名 『 マンガで語る古代大和 ー 学術と創造の融合 ー』 からは内容が一つも分からないと思うので、まずは解説です。
里中 満智子先生の漫画 『 天上の虹 ー 持統天皇物語 ー』 を元に、漫画の冒頭部分と史実を照らし合わせて、史実と里中先生が創造した部分を比べてみよう、という話です。
冒頭とは、漫画の主人公である鸕野讃良うののさらら ( 天智天皇の娘で後の天武天皇妃、持統天皇 ) の誕生から、大化改新、白村江はくすきのえの戦いを経て、天武天皇と結婚、皇后として即位するまでです。
……漫画の副題は 『 持統天皇物語 』 なのに、持統天皇になっていませんが……。
持統天皇は、特別展の会場:奈良万葉文化館がある飛鳥ではなく現奈良市で即位するためでしょうか。

2. 漫画の概要

特別展の元となった漫画の話も。
……ごめんなさい完結していたと今回の特別展で初めて知りました。
副題の通り持統天皇の伝記ですが、一巻の後書きによると、『 万葉集の漫画 』 らしいです。
和美が知ったのは二十年以上前。
単行本の七巻だけフリーマーケットで古本を他の漫画と共に買ったのが出会いで、そこから時々思い出したように読んでいました。
十年近く前に単行本版を読んだ時に 「 連載雑誌が休刊して何度も移転して今は描き下ろし連載です 」 というような後書きに驚いたのが最後でしょうか。
今回は会場の資料室に漫画があったので一巻から読み返しましたが、閉館時間までに読み切れませんでした。

3. 特別展の感想

特別展は概要でも書いた通り、漫画の中でもごく初期の部分、七巻の途中で大海人皇子おおあまのおうじが天武天皇として即位するまでです。
特別展の副題 『 学術と創造の融合 』 をテーマに、漫画の一場面を抜き出して、漫画の解説と史実との違いを書いてあって、あちこち驚きました。

まずは大海人皇子が額田王ぬかたのおおきみと結婚したという史実はない、という解説。
作中では大海人皇子と額田王は一度は結婚。
その後、額田王は要請を受けて天智天皇に嫁ぎますが、天智天皇が崩御。
後を継いだ子供が失脚した後、額田王は天皇に即位した大海人皇子=天武天皇と結婚するのですが……。
今後遺跡の発掘調査などで文献が新しく発見されて二人の結婚が否定されると、物語の筋が大きく変わってしまいそうです。

天智天皇と結婚している額田王と大海人皇子が、天智天皇の前で和歌を披露する場面があります。
その和歌が残っていて、酒宴の席の戯れなのか、実際に不義密通があったのかという二種類の解釈があり、作中では両方が成り立つように描かれていました。

恋愛と言えば、万葉集に二首しか残っていない、反逆の罪で亡くなった有馬皇子ありまのみこと主人公の讃良さらら(後の持統天皇)の悲恋も漫画の中では大事な場面として描かれていますが、こちらも想い合っていたという史実はないそう。

和歌の名手として後年まで名前の残る柿本人麻呂が 『 歴史書には名前が出てこない 』 というのも驚きました。
……確かに国語で習ったのは覚えていますけれども。
作中で 『 有馬皇子と顔が似ている 』 と讃良が言っているのは伏線かと思っていましたが、違いそうなのが不思議です。

余談も一つ。
……讃良がいつの間にか年下だと気付いて驚愕です。
天武天皇の即位に伴って皇后になった時点で二十九歳だそう。
一般に成人年齢が早いと精神面の成長も早く、教育のしっかりした天皇家に生まれ育ち、幼くして母親を亡くし、十二歳で嫁いでいるので老成しているように感じられるのは普通なのですが……。

特別展はそんなところでしょうか。
図録もないのに写真撮影も禁止だったので、記憶に頼るしか出来ません。

4. その他の施設


会場である奈良万葉文化館の施設の話でもと思いましたが、地下にある一般展示室はあんまり面白くなかったので特に書くこともなく。
ミュージアムショップに図録はなく、仕方なくクリアファイルを買いました。
…… 『 姫が行く!』 が里中 満智子先生だと初めて知りました。
『 天上の虹 』 と一緒にフリーマーケットで買った古い漫画のうちの一冊です。
カバーは捨てたのか紛失しましたが、漫画は今も実家にあります。

缶筆箱の方が好きな絵柄が多かったのですが、実用性を考えるとクリアファイルですね。
いや絵葉書を発売してくれれば図録代わりに全種類買ったのですが。
万葉文化館の常設展示図録も買いました。

5. 帰り際に

庭が綺麗でしたが、閉館時間の五時半になってしまったので鑑賞は断念しました。
サルスベリと何かです。
写真は省略しますが、歌碑もありました。



近くのお土産物屋さんは四時に、隣接する資料館は五時に閉館という酷さで何も出来ず……。
一時間に一本のバスで帰りました。

もう少し暑くなければ、一応徒歩圏内らしい石舞台古墳や飛鳥寺辺りに行ってみたかったです。

最後は奈良駅で撮った、『 なら燈花会とうかえ 』 という観光客を呼ぶためだけの迷惑な催しの写真です。

税金は湯水のごとく。
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書いている人:七海 和美
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更新少な目なサイトの1コンテンツだったはずが、独立コンテンツに。
PV数より共感が欲しい。
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