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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 美術鑑賞 > 横山大観展


七月十六日、京都国立近代美術館で開催されていた、『 横山大観展 』 に行きました。
今更ながら感想記事です。

【目次】

  1. 横山大観とは
  2. 感想:展示されていない作品
  3. 感想:好みではない作品
  4. 感想:富士山
  5. 感想:好みの作品
  6. 感想:一般展示
  7. 次回:東山魁夷

1. 横山大観とは

ご存知ない方のために作者、横山 大観の話から。
近代の日本画では最も著名な画家で、竹内栖鳳と共に、第一回の文化勲章を受章しました。
『 好き嫌いに関わらず、基礎教養として見ておくべき人 』 という評が的確だと思います。
特に富士山を好んで描いた人で、今回も富士山は多かったです。

2. 感想:展示されていない作品

電車の乗り換え駅を間違えたので開館には間に合いませんでしたが、まだ混雑する前に着けたので良かったです。
当時飛来したハレー彗星を描いたという ≪彗星≫を含め、記念碑的な作品が期間限定出品で驚きました。
会期終了直前に行ったところ、他にも ≪ ナイヤガラの滝 ≫、≪ 瀟湘八景 ≫、≪ 朝陽霊峯 ≫ と、会場内の説明文には挙げられているのに作品がない不思議な構成でした。
その上、宮内庁に要請を受けて描いた描いたという ≪ 朝陽霊峯 ≫ は、今も宮内庁が所蔵しているにも関わらず 『 京都展非出品 』 と書かれていて更に謎です。
個人所属や他の美術館からであれば、会場である京都近代美術館に貸したくないと断るのも分かりますが……。
そもそも会場である京都近代美術館が所蔵していても通期展示ではない作品もあり、出展目録を見るたび不快になりました。
京都近代美術館は、京都の美術館"にしては""比較的"態度が"マシ"なので、まだ不満は少ないですけれども。

3. 感想:好みではない作品

雨が降ってから蒸発するまでの水を描いた、日本一長い巻物である ≪ 生々流転 ≫ は全巻の写真を見たところ、中期が好みではないので、出品目録と総合すると、前期に行っておくべきだったかな、と思いました。
後期は朦朧体の滲み方が素晴らしかったです。
≪ 杜鵑 ≫ など、風景画や家屋が下手だと感じたので、巻物の中期にある川のほとりの風景が多分苦手です。

4. 感想:富士山

ポスターやチラシに使われていた ≪ 群青富士 ≫ は、ポスター絵を見てもさほど惹かれなかったのですが、本物を見てもやっぱり微妙でした。
≪ 霊峰十題 ≫ も苦手です。

二〇一五年の富士山だけを集めた特別展で、出展されていた竹内栖鳳の富士山がババロアのように偽物らしくて驚いた事があるのですが。
参考リンク:当ブログ記事:富士名品展
その時に出品されていた富士山が素晴らしかった横山大観も、同じようなババロア富士山を描いていて驚きました。
解説には 『 対象(富士山)を単純化した 』 と書かれていましたが、単純化したら偽物のように見えてしまうのですよね……。
和美が関西圏在住のためか富士山に全く愛着はないので、余計にそう感じるのかもしれません。
現住地は一応、富士山撮影の最南端記録がある県です。(2018年現在)

同じ大観でも ≪ 山に因む十題のうち霊峰四趣 ≫ など、他にもっと良い富士山を描いているのに、なんでこれを代表作品にした?と疑問です。
単純化した富士山の絵でも、≪ 霊峰十趣 ≫ の秋だけは良かったのですが、秋の方が断然良かったです。

5. 感想:良かった作品

展示替えによって前期、中期、後期とあり、 ≪ 生々流転 ≫ のところで 『 前期に行くべきだったかな 』 と書きましたが、後期展示の ≪ 迷児 ≫ が見られたのは良かったです。
子供の周りに、キリスト、ブッダ、孔子、老子と四人の宗教家が集まっている絵です。
宗教観が薄まって曖昧になった現代を表しているそう。
木炭の黒一色で、綺麗でも華やかでもありませんが、心に残りました。

あとは ≪ 屈原 ≫ や ≪ 游刃有余地 ≫ も良かったです。
小品ですが、枝に雪が積もった ≪ 雪旦 ≫ が今回一番の好みでした。


6. 感想:謎の作品

大観展では最後の感想です。
≪ 焚火 ≫ という作品が謎でした ……。
掛け軸三幅の作品で、真ん中はもちろん題名の焚火です。
両幅には中国っぽい服装の男二人が描かれているのですが、何かを企んでいるような、ニヤニヤ?した不気味な笑顔でした。
何か古典からの引用かと思いましたが、解説にも書いておらず……謎は謎のままです。

7. 感想:一般展示

次は、特別展のチケットで見られる常設展示の話。
特集展示は写真家でした……。

日本の水俣病を取り上げた事で有名だそうですが、未だに写真の何が芸術に分類されるのかが分かりません。
Instagramにアップされている、現代画家のKAGAYAが撮った写真はさすがにKAGAYAらしい雰囲気だと思いましたが。
車のロードサービス会社であるJAFの情報誌に載っていた、動物写真コンテストの優勝作品が鉄道に撥ねられた鹿の死体で、「同じ写真を撮ったら誰でも優勝できるんじゃ?」と思ったのもあります。

写真家はW.ユージン.スミスという人で、第二次世界大戦や僻地医療など、社会問題を扱った人のようでした。
チッソと言えば、公民の授業で習った「過去の出来事」だと思っていたのですが。
2011年、新聞の一面に「チッソ分社化」というニュースが載り、まだ補填が終わっていない事に驚いた記憶が蘇ります。

特別展が横山大観だったので、常設展示にも横山大観や同時代の菱田春草ら画家の所蔵作品が展示されていました。
こちらの≪春風≫という作品が綺麗でした。

あとはピカソとマティスを中心とした展示も。
……両方とも父が好きな画家だなぁという感想が真っ先に出て来ます。
和美はパブロ・ピカソの苦手意識はかなり減りましたが、アンリ・マティスは今も少し苦手です。
……切り絵の連作≪ジャズ≫は好きですけれども。
なぜかピエト・モンドリアンが出ていて、洗練される前の古い作品が意外でした。

そんな辺りかなー。
工芸は分からないので省略。

8. 次回:東山魁夷

次の特別展は東山魁夷かいいです。
割と最近まで生きていた(1999年没)日本画家です。
平山郁夫と並ぶ巨匠……という印象です。
横山大観と同じく、『 好き嫌いに関わらず、基礎教養として見ておくべき人 』 という評に当てはまる人かと。
二枚で二千円のペアチケットが売っていたので、親に一枚売却しようかと悩みましたが、京都国立博物館の会員カードによる割引が効くので買っていません。

その次が藤田嗣治つぐはること洗礼名:レオナール・フジタなので、通し券が欲しかったです……。
※藤田嗣治も苦手です。
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書いている人:七海 和美
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