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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 美術鑑賞 > 美術館鑑賞:海北 友松展


この記事は美術館鑑賞です。

5/21日曜日、京都国立博物館で開催していた、海北かいほう 友松ゆうしょう 展に行きました。
当日が最終日で混雑が予想できるのに、この国立博物館は列形成が下手くそで不快なので、開館時間に到着を目指していたのですが……。
寝坊したので間に合いませんでした\(^O^)/

当日は本願寺(浄土真宗 本願寺派の本山。通称:西本願寺)にある国宝:唐門が、修復のため三十四年振りの開門でした。
開門は午後五時までで、一般開放されるのが午後一時までとの事だったので、一度通ってみたかったのですが……。
僧籍、寺族、門信徒のどれかで別に時間をください(真顔)
(一応どれでも当てはまる)

京都国立博物館に話を戻します。
ごりごりと宣伝を流していた割には入場待機列がなく、比較的快適に見られました。
海北かいほう 友松ゆうしょう は、この京都国立博物館 開館百二十周年記念 特別展の告知で初めて知ったのですが、有名な画家だそうです。

狩野 元信か狩野 永徳に入門、永徳の死後に狩野派から離れた後の、六十代以降の作品しかほとんど残っていないとの事。
資料によって入門先が元信か永徳か異なるらしいですが、狩野元信に入門後、永徳門下に移ったとかではないかなぁと思いました。
(日本画家の上村 松園が、鈴木松年に入門後、幸野 楳嶺門下に移り、幸野 楳嶺の死後は兄弟子:竹内 栖鳳の弟子になっています)

出展目録がA4の紙の裏表だけだったので数が少なく感じてしまい、あまり作品が残っていないのかな、と思っていたのですが。
襖絵や屏風など、壁一面を覆う大型の作品が多く、目録の量より遥かに多く感じました。
ポスターなどに使われた龍の絵は、三枚で一部屋を使われていましたし。

ちなみに出展目録を見ながら作品を鑑賞していたところ、達磨絵など前期のみ出展の作品もあったので、実物を鑑賞できた作品は、目録よりも更に少ないです。

狩野派は年代が下るに従い、装飾的で非現実的な絵柄になってしまっていたのですが。
さすがに狩野派の始祖の直弟子というだけあって、初期の狩野派にあった勇壮な絵柄が残っていて好みでした。
海北友松の真筆と判断されてからは初公開となる初期の絵は、松の幹が真っ直ぐで違和感を覚えていたら、途中はちゃんと折れ曲がった松っぽい松になっていました。
……後年の作品では真っ直ぐの松もまた出てきていましたが……。
盆栽にありそうな松が好きです。

本人の手紙を含め、ちらほらと書も出展されていました。
普段は解説を読みながら「多分これが解説にある文章なんだろうな」と推測しながら眺めているのですが。
たった一人だけ、原稿用紙を下敷きにでもしたのかと疑うほど綺麗な楷書体の方がいて驚きました。
文語体なので、文字が読めても意味が分かるわけではありませんけれども。

一番の見どころは、ポスターにもなっていた龍の絵。
ですが、同じお寺に描かれた消え入るような松の襖絵が、和美は一番好みでした。
襖絵なので、もちろん実際の松よりは小さいのですが、全てを実線で描くより「見えていないだけでもっと上まで伸びている大きな松の木」と、端に見える枝に繋がる枝までも想像させられて、勇壮な松なんだろうなぁとわくわくしました。

そういえば同じ京都国立博物館で見た長谷川 等伯も国宝の松が綺麗で(同じ場所に飾られていた気が……)自分で思うより、松が好きなのかなぁと思いました。
長谷川 等伯は他の絵の方が好みだった記憶がありますけれども。
画題としては梅が好きです。(台無し)

テナガザルの絵が以前大阪市立美術館で見た狩野 山楽に似ていると思ったのですが、長谷川 等伯を含めて、あの時代ののよくある描き方だったようです。

ポスターに使われていた以外にも、龍の絵は大量に出展されていました。
五点か六点あったのかな?

でもポスターの龍がやっぱり一番恰好良かったです。
同じ龍でも「晩年の作品は、勢いは足りないがより荘厳さを感じさせる」とか説明がありましたが、よく分からない。

時間があったので、開催されていたワークショップにも行ってみました。
テーマは、友松の特徴でもある「肥瘦ひそうのある線」を描いてみよう、です。
肥瘦は漢字の通り肥えたと痩せた、つまり強弱のある前回です。
最初が細く、真ん中は太く、また最後が細くなっていて、太い線は体重が掛かっていたり、ボリュームがあったりする部分です。

内容は、出展されていた馬と、酒席の男性のそれぞれの絵で一部の線が消えていて、その消えた線を描いて友松と合作してみよう、との事。
出展作の馬があんまり似ていなかった事と、描ける線が男性は二本(馬は一本)という事で、男性を選びました。
最初の細い線がなかなか難しくて何度も描き直したり、ついでに馬を自力で描いてみたり。
結構時間が掛かって、結局最後まで納得がいかないまま終わりました……。

かなり前に松柏美術館で見た上村 松園の下絵展で、筆であんな絵が描けるのはすごいなぁとずっと感じていたのを思い出しました。

デザインセンス絶無の龍の絵葉書と図録を買って、案内所の人に「いい加減グッズも税込み表示にしてください」とかなり強い苦情を入れて、年間パスポートに悩んでとりあえず辞めて終了です。
美術館と博物館で税抜き表示なんてここだけですし、図録は税込み、絵葉書は税抜きって更に意味不明だし。
(以前からアンケートに書いているのですが、改善されないので直接入れました)
龍の絵葉書は、なぜか全体図と部分拡大の二種類を無理矢理押し込んでいました。
どっちか片方で良いのに。

年間パスポートは国立国際美術館に行った時から入会しようかなと思っていたのですが、京都国立博物館で入会すると、京都府内にある他の美術館やお寺の観光も割引になるそうで。
入会場所によって特典が違うなら、見比べてから入ろうかなと思いました。
……あと、特別展しか行かないのに割引だけというのは得なのか損なのか。
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書いている人:七海 和美
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更新少な目なサイトの1コンテンツだったはずが、独立コンテンツに。
PV数より共感が欲しい。
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