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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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ざっくざく > 行楽 > 山歩き講習会 in 若草山


ふとしたきっかけで山登りに興味を抱いてからおよそ一年。
十一月四日日曜日に開催されたモンベル・アウトドア・チャレンジという山登りイベントで奈良市にある若草山に登ってきました。

そんな山登り記事です。
こんにちは、和美です。

【目次】

  1. 初めに:イベント紹介
  2. イベント当日:到着まで
  3. 午前の部:座学
  4. 閑話休題:お昼
  5. 午後の部:登山
  6. 今後の予定と色々

1. 初めに

まずは今回参加したイベントの話から。
『 モンベル・アウトドア・チャレンジ 』 とは、登山用品店の 『モンベル 』 が開催する登山イベントです。
一応他にもカヤックやキャンプなどのイベントがあるようですが …… 和美は登山にしか興味がないので省略します。
今回参加したのは、その中の 『 山歩き講習会 < 地図読み実践編 > 若草山 』 です。
一日で学べる山歩き講習会で、他に 『 楽になる山歩き編 』 『 はじめての地図読み編 』 『 安心登山技術編 』 などのシリーズがあります。
『 初めての地図読み編 』 は参加してみたかったのですが、基本的な地図記号が分かっていれば問題ないとの事だったので飛ばしました。
大阪城公園など、実際の山ではないところで開催されているようです。

生駒山などでも同様のイベントが開催されていて参加したかったのですが……集合場所がよく分からず、その上集合時間が午前九時など割と早いので困っていました。
今回は現住地から徒歩二十分のお店で午前十時集合です。

なお、各イベントには必要な体力と技術レベルが書かれていて、若草山は体力 1、レベル初級です。
登山靴を買った時に 『 参加予定です 』 と書いて結局参加できていない、春日山原始林は体力 2、レベル初級です。

2.イベント当日:到着まで

イベント集合場所である、『 モンベル 東大寺門前店 』 までは、現住地から徒歩二十分との事だったので、色々もったいなくて歩いて行く事に決めました。
が……迷いました!
Googleマップの経路案内では辿り着けず、お店の情報に書いてあった 『 夢風ひろば 』 という施設の名前を手掛かりに、何とか時間までに着けました。
Googleマップでは、お店の裏側に案内されてしまうようです。

この時点では気づきませんでしたが、上着忘れた……。
雨具も忘れました……。

3. 午前の部:座学

参加者は、和美を含めて女性四人、男性二人、スタッフさんが男女一人ずつです。
とりあえず奈良公園まで移動して、屋根のあるベンチで自己紹介と講習会です。

スタッフさん二人ともが、新大宮にある奈良店からとの事で不思議に思っていたら、奈良店と東大寺門前店を兼務しているそう。
他の参加者の方は大阪と京都からで、あれ、奈良県民多くなかった。
徒歩圏内はさすがにいないだろうな、とは思っていましたが……。

まずは地図の読み方から。
以前のモンベルフレンドフェアで聞いた 『 地図読み講習会 』 初級編と重なる部分も多く、復習のような感じで聞けました。

ただ、国土地理院の地形図ではいくつか異なる点もありました。
10m毎に等高線があるのは25000分の1の地図の場合だそうです。
山域全域を見たい時に50000分の1もごく稀に使うそう。
最新版は多色刷り、古いものは三色刷りですが、多色刷りは送電線の表記が消え、崖も大型のものしか書かなくなったそうです。
全体的に見やすくはなりましたが、情報量は減ったのだとか。
……送電線で位置確認ができると聞いたのですが……駄目じゃん。
古い書店では古い地図が更新されないまま売られていたり、地図マニアの人は古い地図を持っていたりもするそう。

登山地図の方は特に修正ありませんが、若草山は登山地図がないので国土地理院の地形図を頼るしかありません。


そうそう、三角点は一番見晴らしが良い場所という意味だそうです。
(画像は若草山の三角点です)

地図の次はコンパスです。
開封するのを忘れていました……。
ハサミで切らないと開けられないと思っていたら、べりっと開けられて驚きました。
磁北と真北があるという話は聞いていましたが、奈良県では西偏せいへん7度10と言って、真北から西側に7度10分ずれた角度が磁北(コンパス上の北)だそうです。
西偏という名前から西側にずれているように感じてしまいますが、真北から360度ー7度=353度の方角になります。
ネットから印刷した地形図では磁北線が既に書かれていました。
その線を地図上に引いてから下調べ開始です。

「 地図は迷ってから見ても分かりません。迷う前に現在地を確認するための物です 」 と繰り返し言われたのが印象に残りました。
最後に現在地を確認した場所から先、どれだけどこにズレているか、で現在地を類推し、行くべき方角を決めるための道具という事でしょうか。
25000分の1では1kmが4cmなので、磁北線を4cm間隔で引いていくと1kmの距離が分かります。
百円均一のSeriaで売っている幅4cmの定規が便利だそう。
今回登る若草山は、登山道の両端が1km内という狭い範囲にあるようでした。
往路は地形図に書かれている春日山遊歩道をそのまま登り、復路は遊歩道から繋がる徒歩道から下ります。

次が整地。
コンパスを胸の辺りで平らに持って、プレートの矢印を行きたい方角(今回は若草山)に向けます。
コンパスの針はもちろん磁北を差すので、コンパスの東西南北が書かれた円を回して円の北と針の向きを合わせます。
という作業です。
そこから地図に書き込んだ磁北をコンパスと角度を合わせて現在地の方角が合っているかを確認します。
道がない公園の中だとよく分かりませんが、登山道では道が少ないので、歩道の向きで方角が合っているかが確認できます。

3. 閑話休題:お昼

登山の前にお昼ご飯と休憩です。
座学を割と熱心に聞いていた鹿はいつの間にかいなくなり、他の鹿に男性スタッフさんを中心に、全員がお弁当を狙われていました。
鹿は鼻の辺りに息を吹きかけると一旦怯むようです。



奈良公園の鹿って、観光客の美味しいご飯を掻っ攫うからついでにゴミ袋を食べてしまって短命なのでは。
小学校の修学旅行で聞いた、宮島の鹿は五千円札が好物という話を思い出します。
今の樋口 一葉ではなく、前の新渡戸にとべ 稲造いなぞうの時代ですが……。
※宮島の鹿は、観光客を増やすために奈良の鹿を連れて行ったのが元だそうです。
奈良の鹿は春日大社の神の遣いなので奈良公園周辺にしかいません。
……今夜は鍋かな。(雑食の生き物は不味いです)
近くの屋台で売っている焼きそばを買って来た方がいて、ちょっと悩みました。

4. 午後の部:登山

午後からはいよいよ本題の登山です。

まずは春日大社の方面に車道沿いを歩いて、地図上でも建物が少なくなってきた場所に書かれている階段を確認します。
(復路の最後に降りる場所です)
春日山遊歩道の案内看板があるすぐ近くからアスファルトではなくなり、砂利道で遊歩道が始まりました。
山ですれ違う時は挨拶を、というのはきっかけの同人誌でも書かれていたなぁと思い出しつつ。
ほとんどが軽装、というか普通の格好で驚きました……。
さすがに上着は脱いでいるものの、スーツに革靴で歩いている男性もいて、「 出勤……?」 と首を傾げたり。

地図上では、山中に少しだけ建物がある手前に先の短い分岐路がありまして。
スタッフさんに 「 ここが地図に書いてある分岐点ですよ 」 と整地と共に地図との確認方法を教えられたのですが。
…… こんな道とも呼べないような場所に気づけってのが難易度高いですよ ……。
『 この先山中立ち入り禁止 』 という看板がなければ通り過ぎてしまう場所でした。
しかも、同じ看板があっても先が道ではない場所もありました ……。
ちなみに山中の建物は旅館でした。

地図上にはもちろん川も書かれていますが、その川が細くて湧き水かと思ってしまいました。
六月頃はもっと水が多くて川らしくなるそうですが、ヒルが出て大変だそうです。


この辺りで女性が一人体調不良でリタイア。
女性のスタッフさんが着いて行って、後から合流する事になりました。
ちなみに高山病は高度1,000m辺りから起きますが、人によってはもっと低い位置でも罹るそうです。

この辺りで暑くなって来たので上着を脱ぎました。

遊歩道の中に、ほぼ一周するような曲がりくねった道が書かれていて、地図を見ながら 「 なんでこんな回り道をするんだろう?」 と疑問でしたが …… 現地に行って納得。
十分程掛けて登った道が見える場所で、高低差が8m程ありました。

等高線は10m間隔で引かれているので地図を読み慣れていないと分かりにくいですが、等高線が引かれていなくても、高低差がない平らな場所とは限らないのです。
ちなみに普通の電柱が8.8m、先日のモンベルフレンドフェアで登ったクライミングタワーが6.5mなので、結構高いです。

途中で春日山原始林に行く分岐点もありますが、県か市によって道が封鎖されていました。なぜだ。
頂上付近で車道と合流するところに鹿がいて驚きました。
麓にいる鹿とは違い精悍な顔立ちで、スタッフの方曰く 「 下にいるのは観光客に飼い慣らされた鹿。ランクで言うなら下の下。こっちが上位です 」 との事。
交番もありましたが、なぜか地図には載っていません ……。訴訟。


頂上に到着!と思った場所は頂上ではなく、若草山の上に鶯塚うぐいすづか古墳があり、そこが一番高い場所になっています。

今度こそ頂上です。


…… 山の頂上に古墳があると、ちょっとだけ人工的に高さを足している感じがありますね。
とは言っても、五世紀頃に築造されたとの事ですが ……。
ちなみに埋葬されている人は誰かと思って調べましたが、過去には仁徳皇后であった磐之姫命いわのひめのみことだと言われていた、という以上の情報は出て来ませんでした。
しかも現在、磐之姫命いわのひめのみことの陵墓は、宮内庁の公式見解では、同じ奈良市内にあるヒシアゲ古墳としているそうなので、鶯塚古墳の被葬者は全く不明なままです。

古墳が多いなと思った方へ。
奈良は県内どこにでも古墳があります。多分。
何か建物を作ろうとすると古墳や遺跡に当たるので、昔はよく 「 見なかった事にした 」 そう。
モンベル奈良店が入っている現 『 ミ・ナーラ 』 もその一つで、長屋王屋敷跡が見つかりました。
建てる前の土地調査で発見されたものの、旧そごうは発掘調査を拒否。
盛り土をして地下階を諦め、地上階のみの百貨店を建てました。
結局そごうは潰れ、跡地に入ったイトーヨーカドーも撤退。
今はイオンの系列店が入っていますが、閑古鳥が鳴いています。

そんな鶯塚古墳の近くにある三角点を確認し、山座同定さんざどうていの方法と現在地の確認方法を聞きました。
ちなみに山中で迷った時は、下へ降りるのではなく、高いところへ登るのが基本です。
降りても元の道に繋がるとは限らず、山の谷間にある沢など、全く知らない場所に辿り着く可能性もあります。
降りる方が体力を使いますし。
逆に一番高いところは頂上一つしかないので、そこから現在地を特定できる可能性が高いです。
…… 後で触れる花山のように、頂上が分かりにくい場所もありますが ……。

道の読み方、山座同定、現在地の確認、と方法を解説せずに書いてきましたが、全て基本的に同じ方法を使います。
まずはプレート付きコンパスで、プレートに書かれた矢印を目標物に向けます。
道であれば道が伸びている方向、山座同定と現在地の確認は山の頂上です。
その状態で、方位磁針が向いた北と、コンパスの方角を合わせます。
コンパスの方角は磁北を示すので、磁北と地図に書き込んだ磁北線を重ねます。
道であれば、現在地から道がどこに伸びているかで分かりますし、山座同定であればどこの方角に山頂があるかで判断できます。
現在地の確認は、起点となる位置をもう一つ探して同じ事を繰り返し、二本の線が交わる場所です。
今回は春日山原始林がある花山はなやま法蓮佐保山ほうれんさほやまで試しましたが …… 花山の山頂近くが割と平べったく、頂上がよく分からなくて現在地が400m程ズレてしまいました。
300m〜400m程の誤差はよくある事で、その点ではGPSの方が正確だそうです。
ちなみにGPSは起動から計測に5秒掛かるため、コンパスでの現在地特定は5秒以内が目標との事 ……。
花山を地図で確認すると、三角点は497mですが、1km程離れた場所に491mの標高点が書かれていました。
木が生い茂った状態で6mの区別はつきません……。


ここで途中離脱に付き添ったスタッフさんが合流、三角点の付近が狭いので、少し平らな場所に降りて休憩しました。
低山とは言え、さすがに頂上付近は寒かったです。

上半身の服装は着脱できるように、とよく言われますが、下半身が暑くて途中で脱ぎたくなりました。
下半身はあまり汗をかかないので着脱は不要だそうですが ……。

スタッフさんがキャンプ用のコップを持って来ていて、やっぱりちょっとだけ欲しくなりました。

山で自炊してご飯を食べるweb漫画を時々読んでいる影響も多分あります。
山と食欲と私:信濃川 日出雄:くらげバンチ(第一話にリンクしています)
キャンプに付き合ってくれる友人はいないので買いませんが、携帯用ガスコンロはそのうち買ってしまいそうです。



下りはなだらかな丘のような場所を降りていきました。
…… 登り終わった後に払う、謎の入山料 ……。
春日山遊歩道側を往復するだけなら無料ですが、道が割と整備された丘の方は有料のようです。
ただ、入山料を払ってからもう少し行った場所から見える東大寺の裏側は、すごく雰囲気が良くて一見の価値ありです。



左側にたくさんの人を見ながら、右側にある南ルートから降りて行きました。
「 終了予定時間に間に合わせるため、少し早めに歩きます 」 と言われてちょっと怖かったです。
地図に書かれていない階段が多くてモヤモヤしました。
履き慣らしていない登山靴の足首辺りが痛かったですが …… ほとんど何事もなく。
入山料を払う門をくぐって、ちゃんと地図にも書かれている階段を下りて終わりです。

よく話していた女性の方に今後の予定や憧れの山を聞いていたのですが、和美と同じく先が全く未定で、春日山原始林のイベントにも興味を持たれていて、若草山には時々登りに来ようかなと仰っていたので、ちょっと連絡先が聞きたかったです。
(逃しましたチキン)

なお、登山靴を買った時にも 『 参加予定です 』 と書いた春日大社原生林のイベントは、先日の台風の影響で道が封鎖されたため、ここ二ヶ月程は中止しているそうです。
十一月末にも予定がありましたが …… どうなる事やら。

5. 今後の予定と色々

とりあえず上の服を揃えようかなと思いました。
意外と寒いので上着は必須です。
あと、ウエットティッシュも持って行きたいですね。
お昼ご飯はOrusandとおかずでしたが、途中でお菓子も欲しくなります。

次は …… 過去記事で触れた、京都に登りたい気持ちだけはありますが …… とりあえず体力 1 の辛さを知ったので若草山で練習かな、というところです。
午後から登り始めて休憩、解説込みで往復三時間という近さは大事です。
過去に書いた、京都に登りたい話は以下から。
登山に行ってみたい話(当ブログ過去記事)

あとは奈良県内で香芝市に屯鶴峯どんづるぼうという奇岩群の名勝地があるので行ってみたいなーとか。
屯鶴峯へ!凝灰岩の風化・浸食と防空壕:4 travel.jp
香芝市 …… 微妙に遠いのよな ……。

ちなみに予想通り、翌日から筋肉痛になりました。
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書いている人:七海 和美
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