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気ままな一人暮らしの、ささやかな日常
美術鑑賞からプログラムのコードまで、思いつくままに思いついた事を書いています。
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富岡鉄斎展
大和文華館という美術館で開催されていた富岡 鉄斎展へ、四月二日の平日火曜日に見に行きました。
こんにちは、和美です。
今回はそんな美術館鑑賞記事です。

【目次】

  1. きっかけ
  2. 大和文華館
  3. 特別展の感想
  4. 庭園の感想

1. きっかけ

富岡鉄斎展
行きたい美術館のチラシを部屋に飾って、行きたい特別展を時々チェックしています。(そして割とよく逃します)
開催前からずっと飾っていて忘れていた、大和文華館の年間予定チラシで、富岡鉄斎展が開催中だと気付きました。
富岡鉄斎は、2017年のゴールデンウィークに兵庫県立美術館で開催されていた生誕百周年記念展を引っ越しで逃して以来、つい行きたくなってしまう画家です。
終了日と予定を見ながら悩んでいたら、ちょうど平日に有給休暇を取る用事が入ったので、午後から行く事にしました。

2. 大和文華館

大和文華館建物
大和文華館は近鉄電車が運営する私設美術館のうちの一軒です。
同じく近鉄電車が運営する美術館としては、同じ学園前駅に日本画の上村 松園達を扱う松柏美術館、大阪の阿倍野駅はあべのハルカスにあるハルカス美術館があります。

過去に開催された特別展では、『 画僧 古澗 こかん 』に行ってみたかったです ……。
同時期に開催されていた本居 宣長は三重県立美術館だったはずですが、それ以外にも興味のある特別展が開催されていた記憶があります。
( 公式ホームページに、なぜか過去に開催された特別展の一覧がないので定かではありませんが )
追記:検索したところ、柳沢 淇園きえんです。

割と小規模で会期が短く辺鄙な場所にあるので、行ったのは今回が初めてです。
ちなみに今回は恩恵に与れませんでしたが、四季折々の花が植えられていて、見頃の平日には無料開放も行われています。

3. 特別展の感想

富岡鉄斎展
富岡鉄斎は大学の授業で習った、実際に登ってから描いた富士山の絵で好きになったのですが、今回の富士山はあまり好みではありませんでした。
( 該当の富士山の屏風は、過去に堺市立博物館で本物を鑑賞した事があります。
過去記事ありません )
ですが、月下の梅や松に鶴など好みの作品もあったので行って良かったです。
月ヶ瀬村の梅林も行ってみたいなぁ。

ただ、一番突き刺さったのは座右の銘として紹介されていた、「 万巻の書を読み、万里の道をく 」でした。
大量の本を読んであちこち見て回れという意味だそうです。
文人画に限らず、絵を理解するために必要な基礎教養が足りないと痛感する事が多いです ……。
漢詩の授業は割と好きでしたが、百人一首で挫折して、最近話題の万葉集や古典は苦手なままです。
式部日記や枕草子ぐらいは通読しなきゃいけないという自覚はあるのですが。
中国の四字熟語?を並べた巻物もよく分かりませんでした。
作品では 『 賛 』 という、絵に添えられた文章は白文と呼ばれる中国語で書かれています。
解説では、返り点を足した訓読文と、日本語の古典のような書き下し文が書かれています。
ですが、書き下し文を読んでも意味が分からない文章が多く、故事を元にした絵も多いのですが、その故事がよく分からないという状態です ……。

あとは富岡 鉄斎の落款らっかん印( 画家、書家など作者のはんこ。サインとともに入れる。使っているはんこで制作時期が特定できるほど色々変わる )を手で押した豪華装丁の一覧本がありました。
百種類近くの落款印を全て手で押したそうで、押して作る側も大変ですが、厚さ30cmはあろうかという本を購入した人がいるという事実にも驚きました。

隣の閲覧者達が「 自分でも描けそうな絵があるなぁ」と言っていたのが聞こえて、『 無知の知 』 という言葉を思い出しました。
富岡鉄斎は文人で商業画家ではありませんが、簡略化されても分かる絵、絵の発想、発想の元になる基礎教養が揃っている事が大事だと思います。
まあ日本画の凄さは、油絵で厚塗りを重ねる洋画とは違い、下絵のない一発描きだというのもあるのですけれども。

画家の生没年順が覚えられないのですが、鉄斎は同じ文人画家の田能村たのむら 竹田ちくでんより少し後の人だそう。
そして、田能村姓を継いだ竹田の弟子がいたのですが、鉄斎はその弟子の事を 『 竹田とは違って俗物だ 』 とずっと批判し続けていたというエピソードと共に、その弟子が亡くなった時に描いた風刺画のような絵が展示されていました。

美術館は当然ながら写真撮影禁止ですし、入り口にも書かれています。
写真撮っているマナー知らずが二人もいて、片方は注意したのですが、入った時に撮っていた方は注意できませんでした ……。
なぜ展示室に学芸員がいないのか。
※ 運営元の近鉄電車が貧乏だからです。

小規模な特別展なので専用の図録はありませんでしたが、大和文華館の所蔵品の中から鉄斎の作品だけをまとめた図録があり、今回の出展作品がほとんど載っていたので買いました。
しっかりした紙質なのに、図録がオールカラーではないのが不満です。

出品作は鉄斎と仲良かった近藤氏の旧蔵品が多いのですが、その近藤氏から近鉄に所蔵が渡った理由は、まとめて売却したのか寄贈したのか、近藤氏が後の近鉄を作ったのか、で見ている側の気分が変わりますね。
なお、どれにしても近鉄電車が大嫌いな事に変化はありません。

次はあまり興味がない茶の湯だったので行かない予定です。

4. 庭園の感想

大和文華館の花
館名で 『 文華館 』 と名乗るだけあり、多く植えられている花の話も。
少しだけ梅が残っていたのと、散りかけの木蓮があったのが幸せでした。
大和文華館の花
他にも色々撮影しましたが、花の名前が特定できないのでとりあえず添付は二枚だけで。

紫式部という木がどんな花かは気になるのですが、興味が湧く特別展が少なく、お花見に行くほど便利な場所でもないという立地が辛いです。

蕾すら見当たらない藤棚もありましたが、一番見たかった白い藤は造幣局の通り抜けで見られたしなぁ。
造幣局の通り抜けに行った記事は書いていないので、藤の写真だけ添付しておきます。
造幣局の通り抜け藤
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眉仙タイトル
兵庫県は西宮市にある、西宮市 大谷記念美術館で開催されていた特別展『受贈記念 日本画家・ 福田眉仙とその周辺 』 に行きました。
こんにちは、和美です。
こちらは一月三日に行った特別展の感想記事です。

【目次】

  1. きっかけ
  2. 西宮市大谷記念美術館
  3. 特別展の感想
  4. 庭園

1. きっかけ

きっかけは …… 多分、美術館のチラシを見られるiPhoneアプリ 『 チラシミュージアム 』 でチラシを見て興味を抱いたためです。
多分、というのも前日にアプリを確認した時にチラシが見当たらなかったためで、記憶は定かではありません。
もしかしたら、どこかの美術館でチラシかポスターを見た可能性もあります。

普段はマインドマップアプリに美術館の予定を記録しているので、チラシがなくても期間と場所は把握できるのです。

2. 西宮市大谷記念美術館

西宮市美術館の入り口西宮市 大谷記念 美術館へ行ったのは今回が初めてです。
最寄り駅は夙川しゅくかわ
駅の出口に看板があったので安心しましたが、駅から中途半端な距離と方向で、少しだけ悩みました。

3. 特別展の感想

眉仙タイトル福田 眉仙びせんは全く知りませんでした。
ポスターが綺麗だったので興味を抱いたのです。
出品目録がないので、一階と二階の展示室六部屋のうち、良かった作品を見返そうと思って五部屋だけ二周したのですが。
一番気に入った 久保田 米僊の ≪ 蓬莱山図 ≫ が一番初めの展示室だったらしいと図録の巻末にあった出品目録を見て気づきました。
あの部屋ではなかったはず、と思い込んで、時間の都合で二周目は行かなかったのです ……。
ちなみに久保田 米僊は福田 眉仙の師匠です。

福田 眉仙では、中国旅行スケッチ、朝鮮の雪山だという ≪ 金剛霽雹さいひょう ≫ が一番好みでした。
参考出展の橋本関雪 ≪ 後赤壁図 ≫ もすごく綺麗でした。

なお出展目録は、後で購入した図録の巻末に載っていましたが。
コレクション展は出品目録が完全になく、普段は出展目録で気に入った作品にチェックをつけていくので、見終わった後に購入する図録に載せられても困るのです。

4. 庭園

西宮市美術館の庭
入館者アンケートに 『 当館の庭園は散歩できるのですがご存知でしたか? 』 という項目があったので、荷物を館内に預けたまま見に行きました。
すごく寒かったのですが、所々で咲いている花も綺麗で、謎の彫刻も見られたので良かったです。
しろからだんだん
西宮市美術館の庭 西宮市美術館の庭
アリスSOS
兵庫県立美術館で開催された 『 不思議の国のアリス 』 展から離れて、最初に好きになった 『 不思議の国のアリス 』 の派生作品の話です。
こんにちは、和美です。
今回はアニメ 『 アリスSOS 』 と原作と、原作者の話です。

【目次】

  1. 初めに
  2. アリスSOS
  3. 原作シリーズ
  4. 訃報
  5. 未完の話と設定

1. 初めに

参考リンク不思議の国のアリス展
上記の感想記事で触れた通り、和美が最初に好きになったアリス作品はアニメ 『 アリスSOS 』 です。
むしろこの作品がなければ、不思議の国にも興味を持たなかったかもしれません。
アニメをきっかけに、色々と手を出しました。

2. アリスSOSとは

アニメ 『 アリスSOS 』は、金曜日を除く平日月曜日から木曜日までの六時から放送された子供向け番組『 天才てれびくん 』 の中にあった、一回十分、一週間で一本になるアニメです。
翌年に同じ枠で放送された 『 アリス探偵局 』 とは何の関係もありません。
主題歌はアリス役ともう一人の声優さんがカバーした、原曲はピンクレディの 「SOS!」です。( 一番のみ )
OPの演出は誰だったか、今や割と有名になったアニメ監督らしいですね。

『 天才てれびくん 』内別コーナー、てれび戦士( 番組出演者 )が声優に挑戦する回では、当時放送中のアニメ作品 『 スージーちゃんとマービー 』 を差し置いて、なぜかアリスSOSの一話が使用されました。
指導役はばいきんまんやニャンちゅうの声優さんでしたが、『 アリスSOS 』 のレギュラーキャラクターは担当していなかったは、ず ……。
『 天才てれびくん 』シリーズ( 当時はワイド ) の十周年記念でアニメが再放送された時に一話を除き全て録画。
それから三年か四年経って、突然DVD-BOXが発売されたので買いました。

3. 原作シリーズ

一年間のアニメ放送後、中学校の図書室にあった、原作であるライトノベルのシリーズにも手を出しました。
中原 涼先生が講談社ティーンズハート文庫で書かれた小説で、数冊だけ新刊で手に入れ、古本で何冊か読みました。
地元の図書館にも数冊だけあった記憶があります。

原作は完結しないまま別シリーズの新作が一冊発売、その後、全く新作が出なくなり、ティーンズハート文庫自体もなくなりました。
既刊シリーズはホワイトハート文庫に移る、と発表された覚えがありますが、一度も出ていません。

4. 訃報

忘れな草
今年の五月十一日、何となく思い出したライトノベルを、粗筋だけを頼りに探していたら、Wikipediaで訃報を知りました。
二〇一三年頃に亡くなったそうです。
ティーンズハート文庫を発売していた講談社側も把握しておらず、郵便物が戻って来るので困っていたんだとか。
Wikipediaにリンクされていた情報元によると、中原 涼先生の著作のうち、二冊だけ発売した別の出版社から情報を得たそうです。

5. 未完の話と設定

アニメ版は原作を参考にしつつ、全く違う内容で終わっていましたが、完結するとしたらどんな話だったのか、何も解決しないままなのでショックでした。

原作の翔野 鋭一郎くんは、父親が外交官らしいという設定だけが出てきていましたが、アリスを誘拐した理由と方法が知りたかったです。
西村くんは元から不思議キャラなので、アニメ版と同じく何も設定されていなくても疑問に思いませんが ……。

胸キュンペア( 主役四人の原作での呼び方 )の中心であるタカシは、ひろみにちゃんと告白する事はあったのか、ひろみの気持ちはどうだったのか。
アニメの最終回でトシオはゆかりに事実上振られていましたが、原作では交際している認識はあったのでしょうか。

原作の最初の方は恋愛描写が多めだったので、古本で残っている事を信じてまた探してみようかなとは思いましたが、原作者側が設定した 「 最終回 」 が見られなかったのは初めてなのでショックです。
不思議の国のアリス展タイトル
兵庫県立美術館で開催されていた 『 不思議の国のアリス 』 展に行きました。
こんにちは、和美です。
美術館の感想記事ですが、他の話も多いです。

【目次】

  1. 不思議の国のアリス
  2. 特別展の感想
  3. 謎解きアドベンチャー
  4. 展覧会限定ショップ
  5. アリスにまつわる雑談

1. 不思議の国のアリス

十九世紀に数学者のルイス・キャロルが書いた、世界的に有名なファンタジー児童小説ですね。
特別展の題名は 『 不思議の国のアリス 』 ですが、続編の 『 鏡の国のアリス 』 も含まれています。
両方とも、話を忘れてしまったか通読していないような気がしてきたので読み直したいです。

2. 特別展の感想

不思議の国のアリス展タイトル
特別展では、なぜかルイス・キャロルの本名がチャールズ・ラトウィッジ・ドットソンと表記されていました。
一般的にはチャールズ・ラトウィッジ・ドジスンだと思います。

ルイス・キャロルが書いた、アリスシリーズ以外の児童書の存在を初めて知りました。
『 不思議の国 』 が売れた後、イギリス女王に 「 新作が完成したら是非読ませてほしい 」と要望され、数学書を渡したという笑い話が伝わっていますが( この逸話は後世の創作 )
他の児童書や数学書(クイズ問題集?)は日本でも出版されているのだろうか、と気になります。
作者の代表作以外の作品は、解説として粗筋がついているのが普通なのですが ……。
( 他の作品も中身を併せて紹介されるのが最も一般的 )

2ちゃんねるの児童書板辺りで、「不思議の国のアリスが児童書の定番や傑作として扱われている事に違和感がある」という内容のレスを見かけてイラッとした事があるのですが。
学寮長の娘アリス・リデルに贈った私家版が学寮長室に置かれていて、訪れる人達に人気だったから出版に到った、という話が紹介されていたので、やっぱり当時から人気があるのですよ。
『 不思議の国 』 より少し早く発売されて人気だった児童書は、人種差別の描写が問題になって人気が落ちた、という解説もありましたし。

日本でアリスといえば、フリルがついたふわふわのワンピースにフリルエプロンを重ねたロリータファッションが一般的ですが、海外のアリスは意外とバラバラでした。
特にヘレン・オクセンバリーが描いた、装飾のないノースリーブのワンピース姿で素足に白いスニーカーだと、その辺にいる普通の女の子に見えました。
ただ、一番意外だったのは、チャールズ・サントーレ版の、黄色いフリルワンピースに青いラインが入った白いフリルエプロンを重ね、青のカラータイツを履いた衣装でした。

『 不思議の国のアリス 』 の原型である『 地下の国のアリス 』 も紹介されていました。
昔、黒柳 徹子が解説を書いているのが嫌だなぁと思いながら、日本語訳の数量限定の特装版を買いました。
難解な言葉遊びが多い『 不思議の国 』に比べて話が単純なのが特徴だそう。
ちなみにルイス・キャロルによる 『 子供部屋のアリス 』 という短いバージョンもあるそう。
初版本と復刻版があり、特装版は初版本だったと思いますが、表題がカリグラフィーで書かれた復刻本もすごく綺麗でした。

TRPGの 『 モノトーンミュージアム 』 にはハンプティ・ダンプティを元にした 『 卵男 』 というキャラクターが出て来るのですが。

食通によると、「 頭が痛くなるような味 」がするらしい。
と紹介されていたのを挿絵を見ながら思い出して一人で笑ってしまいました。

アンヘル・ドミンゲス版の挿絵
一枚だけあったアンヘル・ドミンゲス版の挿絵?が一番好きなアリス( アニメ:アリスSOS )に似ていて嬉しかったです。

アリスの挿絵を紹介するコーナーが二章あり、最初の一章だけ写真撮影可能。
その後のコーナーは撮影禁止と書かれているにも関わらず、スマホのシャッター音が大音量で聞こえてきて不快でした。
撮影禁止の理由は展示されていたディズニーの原画だと思いますが、和美はその次にあった、サルバドール・ダリが描いた挿絵を撮影したかったです。
図録には載っているはず、と信じて我慢しましたが。(載っていました)

3. 謎解きアドベンチャー

不思議の国のアリス展脱出ゲームタイトル
『 不思議の国のアリス 』展では、有料で謎解き脱出ゲームが開催されていました。
気になったものの、一人で参加しても寂しいし、と思いながら入ったら、案外参加している人が多く、途中から入口に戻って参加してしまいました ……。
一人千五百円と高かったのですが、さすがに面白かったです。

相談できる相手がいないため難しく、ほぼ全ての問題でヒント集を見てしまいました。

4. 展覧会限定ショップ

不思議の国のアリス展ロゴ
関西では大阪・心斎橋にもある、アリスシリーズ関連グッズショップ 『 水曜日のアリス 』で販売しているものが多かったです。
一度行きたいなと思っているのですが、常設店舗なのでグッズは買っていません。
( 過去には梅田LOFTで出張販売もありました )
たまたま今公式サイトを見たら、パッケージデザインが特別展限定の物がいくつもありました ……。
それ書いといてください。

普段、特設ショップの関連書籍は買わないのですが。
好奇心に負けて図録のついでに買った『 アリス好きに贈る33の謎 』という本は、特別展限定商品のようです。
書いていなかったのか見逃したのか、知らなかったので驚きました。

5. アリスにまつわる話

ここからは、特別展から離れて、和美のアリスとルイス・キャロルの思い出話です。

【 ミニ目次 】

  1. 青い服のアリス
  2. 夢の国のアリス
  3. 涙の海で溺れたい
  4. アリスのお茶会

1. 青い服のアリス

以前、「ディズニーでも用いられているアリスの青い服は誰が最初に使ったか」という話を読んだのを思い出しました。
詳しくは忘れてしまいましたが、キャロルが存命中、既に青い服のアリスが描かれていたという結論だったと記憶しています。
似たようなページがあったので紹介。
アリスの服の色:チャールズ・ラトヴィッジ・ドジスンの紹介

ちなみに最初のジョン・テニエル版は白黒、 『 子供部屋のアリス 』 の表紙は黄色で塗られています。

世間一般は知りませんが、私はアリスに青のイメージが全くありません。
私が最初に興味を抱いたアリスはアニメ 『 アリスSOS 』 で、服の色はピンク。
アリスSOS
ただ、原作はライトノベルのシリーズ。
表紙にカラーで描かれているアリスは毎回服が違い、私はなぜか黄緑の表紙が印象に残っています。
細かい話はこちら。アリスSOSの話:

その次が同じNHKの枠内で放送されたアニメ『 アリス探偵局 』 のアリスで、服は濃いピンク。
次は携帯アプリゲーム 『 歪みの国のアリス 』で、アリスの服の色は赤。
私が青い服で好きになったアリス作品は、原作ゲーム会社が潰れてから古本をコミカライズで読んだ 『 ハートの国のアリス 』 が最初にして今のところ唯一です。
…… 上海アリス幻楽団が頒布するパソコンゲーム:東方プロジェクトシリーズに登場するアリス・マーガロイドも一応青い服を着たアリスですが …… 不思議の国に関係するかどうかは知りません。

2. 夢の国のアリス

青のイメージを固定させたのは恐らくディズニーのアニメだとは思いますが、ディズニーでアリスというと、真っ先に嫌な思い出が出てきます。
東北の大震災が起きた後の三月十一日に、公式アカウントからツイートされた「何でもない日におめでとう」です。
( この呟きは当然大炎上して削除されました )

一度も見た事がありませんが、図録の解説に

言葉遊びを減らしたミュージカル仕立て。
鏡の国のキャラクターや挿話を含み、原作には存在しないキャラクターが登場するなど独自の要素が見られる。
とあったので、出来は期待しない方が良さそうですね。
ルイス・キャロルによる言葉遊びは、『 地下の国 』 から 『 不思議の国 』 に修正された時の一番の変更点で、最大の特徴なのですけれど。

3. 涙の海のアリスとドードー

巨大化したアリスが涙を流し、小さくなったアリスと動物達がその涙でできた海で泳ぐという場面があります。
何かの本で、その動物達の中にいるドードーは作者:ルイス・キャロル(本名:チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン)の事、という話を読みました。
一般表記の『 ドジスン 』 だと分かりませんが、展覧会で使われていた 『 ドットソン 』 だと、ドードーと響きが何となく似ているな、と納得しました。

4. アリスのお茶会

数年前に大阪のホテルで開催されていたアリスのティーパーティ(三千円程のアフタヌーンティーメニュー)に行けなかった事も思い出しました。
SNSで見つけた同伴者募集は平日。
和美は仕事の都合で土日しか無理、当時は大阪府でも堺市在住だったので梅田が遠く、企画が立てられないまま期間が終わってしまいました ……。
調べたところ、似たようなイベントが東京、名古屋、大阪(梅田)の各大都市圏で開催されていて、大阪の直近だとゴールデンウィークまで開催というのもありました。
いつか行きたいです。
河鍋暁斎展
兵庫県立美術館で開催されていた『 没後百三十年記念 河鍋 暁斎 』の特別展に、五月十二日の日曜日に行きました。
こんにちは、和美です。
この記事は、美術館の感想です。

【目次】

  1. 特別展
  2. コレクション展
  3. 常設展示室
  4. 同時開催
  5. 次回開催

1. 特別展の感想

河鍋暁斎展2
河鍋 暁斎はあまり好みの絵がありませんでした。
最初にあった ≪ 柿に鴉 ≫ だけでしょうか。
≪ 夫婦喧嘩は犬も食わぬ ≫ という慣用句の題名の絵を見て、「 じゃあ犬( か獣 )を食う喧嘩が他にあるのか」と、絵とは全く関係ない事を考えてしまいました。
英語にあった 「 チェシャ猫のように笑う 」 という表現からルイス・キャロルが 『 不思議の国のアリス 』 のチェシャ猫を作ったそうなので、慣用句の成り立ちは案外考えてはいけないのかもしれませんが。

骸骨の絵を見ていて、本来なら六本しかないはずの肋骨が妙に多い事に気付きました。
正確な人体図が出回るのは、明治期の『 解体新書ターヘルアナトミア 』 が最初かなとも思いましたが、人骨より見る機会は少ないはずの筋肉は綺麗に正確だったので不思議です。

2. コレクション展

コレクション展
どこかの企業の協賛により、コレクション展が無料開放日でした。
副題は 『 境界線のむこう 』 で、線などの境界や生死、東西、現実、非現実などの方法でこちら側と向こう側を分けるという試みがテーマです。
白髪 一雄の抽象画 ≪ 東方浄瑠璃世界 ≫ が割と良かった以外は、浜田 知明の ≪ 初年兵哀歌 ≫ など、見た事のある作品が多かったです。
そうそう、佐伯 祐三の ≪ タラスコンの遺跡 ≫ という門の絵も良かったです。

コレクション展告知ポスター
コレクション展の告知ポスターに使われていた作品は、過去のコレクション展で何度も見た写真だったのに全く気づきませんでした。
米田 知子の偉人達が使っていた眼鏡を通して、偉人達本人の直筆作品を見る 「 見えるものと見えないもののあいだ 」 というシリーズです。
≪ 谷崎潤一郎の眼鏡 ー 松子夫人への手紙を見る ≫ や ≪ ヘッセの眼鏡 ー 兵士の写真を見る ≫ など、なんでこの人にその作品?代表作は他にあるでしょ?という選択もありますが、直筆原稿が残っていないという可能性も充分ありそうだと初めて気がつきました。

3. 特別展示室

兵庫県立美術館には常設で洋画家の小磯 良平と金山 平三の特別展示室があり、普段はほとんど展示替えがありません。
が、今回は珍しくコレクション展に合わせた展示があり、普段見ない作品が多かった気がします。
小磯良平の静物画はセザンヌにしか見えませんでした。
代表作 ≪ 合唱 ≫ は歌っている十人近くがほとんど同じ顔、というのはTV番組 『 美の巨人たち 』 で知っていましたが、モデルが二人だけだったと今回初めて知りました。

金山 平三は、普段は絵だけ展示されているのですが、今回は過去に開催された特別展でも見た覚えのない写真が展示されていました。
( この兵庫県立美術館で開催されていた特別展では、図録が完売していて買えなかったので確証はありませんが…… )
代表作である最上川の絵は、描かれた場所の写真が残っていると紹介されていて驚きました。

4. 同時開催

別館で 『 不思議の国のアリス 』 展が開催中でした。
併せて行くつもりだったのですが、閉館時間になってしまったので、諦めて後日となりました。
感想記事も後日リンク予定です。
不思議の国のアリス展( リンク修正済み)

5. 次回開催

次は吉野石膏コレクションより、『 印象派からその先 』 展。
印象派を起点に、そこから発展、派生していった新印象派、野獣派フォービズム、青騎士派、抽象画などを含めてエコール・ド・パリまでの特別展です。
チラシの表紙はルノワール。
印象派は特に好きでもないのでまあどちらでも良いかな、と思ったのですが。
十九世紀〜二十世紀の洋画を俯瞰できるようなので、全体的な流れが掴めたら良いなぁと思います。
餃子フェスの看板
ゴールデン・ウィーク最終日の五月六日月曜日。
友人に誘われて、大阪城公園で開催されていた餃子フェスに行きました。
こんにちは、和美です。
今回はそんな食べ物感想記事です。

【目次】

  1. きっかけ
  2. 食べたもの感想
  3. その後
  4. おまけ

1. きっかけ

大学の友人のLINEグループで、突然 「 明日大阪城公園に餃子フェス行く人ー」 と誘われたので、入っていた予定を翌日に延期して行く事になりました。

他の友人との都合で、会場には二時からの待ち合わせです。
…… 餃子ってお昼ご飯なのでは …… と思いつつ、二時からなら混雑のピークも過ぎているだろうという判断はあります。
会場は大阪城公園の中にある太陽の公園広場。
会場は一部を除いて現金が使えません。
支払い方法は、一綴り千五百円の食券、交通系ICカードやnanacoなどの電子マネー、iDの三種類です。
iDは対応しているクレジットカードをスマートフォンでApple Payに登録すれば、通常五百円のファストパスも無料で使えるという一番便利なシステムです。
ちょうど旧職場の給料振込み先として使わされていた三井住友銀行が対応していたので試しましたが …… Apple PayはiPhone SEに非対応という罠に引っ掛かったので諦めて、最寄り駅で入金したICOCAにしました。
nanacoも持っていますが、残金は不明です ……。

家から大阪城公園を調べたところ、なぜか大阪城公園駅を通過した隣の森ノ宮駅が最寄り駅として表示されましたが、会場入り口は大阪城公園駅が一番近いです。

2. 食べたもの感想

餃子フェス食べたもの
先に行った従姉妹が、Instagramの投稿に割り勘で七軒と書いていたのですが。
友人達と別れて並び合いをしていたら、いつの間にか合計五軒も食べていました。
一応食べた順です。
オペレッタ52:鴨餃子
餃子とワイン 果皮と餡:十勝牛の濃厚味噌バター牛カツ餃子
鼎's:羽根つき焼小籠包
麺屋 女王蜂:焦がしネギ香る 濃厚鶏白湯スープ餃子
博多八助:博多ひとくち餃子

香港点心楼のプリプリ海老蒸し餃子も食べたかったのですが、最終日の午後なので完売していました ……。
友人達が狙っていた、近江牛餃子 包王の肉大盛!近江牛餃子は列が伸び過ぎたためか、到着時点で一時販売停止の放送が流れていました。
その後、会場を出るまで再開しないまま。

個人的な当たりは麺屋 女王蜂の焦がしネギ香る 濃厚鶏白湯スープ餃子です。
パンフレットによると大阪府池田市にお店があるようなので、遠いですが行ってみたいなぁ。

最後にティラコッテのROYALミルクティーソフトが食べてみたかったのですが …… お腹に入る余裕がありませんでした。

3. その後

持って行ったマイボトルのお茶がなくなってしまったので、近くにあったローソンでジュースを追加購入しました。
なぜか店内にガラス貼りをして、本物の蒸気機関車が置いてあって驚きました。

ちなみに大阪城公園駅がハローキティと環状線のコラボ中で、パネルが設置されていました。
スタンプ帳代わりに使っているご朱印帳を忘れて押せませんでしたが、大阪城公園駅の記念はんこも欲しかったです ……。

4. おまけ

引っ越し後に部屋の片づけを手伝ってくれた友人の提案で、全員が会場から歩いて家に来る事になりました。
家具の配置もあれこれ悩んだのですが、何も変更出来ず。
ハンガーラック二台はそのうち押し入れに入れようと思いながら、とりあえず床に置いていたのですが。
段ボール箱を出してハンガーラックを入れるという、やる気が出ないと出来ない作業をやってもらいました。
やっぱり人にやってもらった方が片付きますね。
段ボール箱は残り六箱。
引っ越し記事はまた別にアップする予定です。
フェルメール展看板
四月下旬の平日に行く予定が、諸般の事情により休めませんでした。
こんにちは、和美です。
五月十日に行った、大阪市立美術館のフェルメール展の感想記事です。

【目次】

  1. フェルメール展
  2. コレクション展
  3. 次回開催
  4. 現代パステル協会関西展
  5. 水彩連盟展大阪展

1. フェルメール展感想

フェルメール展看板
東京で先に開催され、巡回で大阪に来た特別展です。
フェルメール展と名乗ってはいますが、フェルメールと同時期に活躍した同じオランダの画家の作品も多かったです。
感想。
大阪会場で非出品のため作品目録から飛んでいる番号が全部フェルメールで、 ≪ 真珠の首飾りの女 ≫ も ≪ 牛乳を注ぐ女 ≫ もありませんでした。
≪ 真珠の首飾りの女 ≫ は過去に東京まで見に行きましたが、 ≪ 牛乳を注ぐ女 ≫ は本物を見た事がなかったのでショックです。
大阪初出品を名乗る ≪ 手紙を書く女 ≫ は京都に出ていたので、その煽り文句はどうなのかと思いました。
参考リンク:ベルリン美術館展
≪ 真珠の首飾りの女 ≫ 鑑賞記事。
≪ 手紙を書く女 ≫ は古いため鑑賞記事ありません。

ちなみに ≪ 手紙を書く女 ≫ は和美が多分本物を初めて見たフェルメール作品です。
ミュージアムショップも好みのグッズがなく、その上非出品の作品のグッズがありました ……。
そこのおばはん、恐らく東京で見たのでしょうが、≪ 真珠の首飾りの女 ≫ は大阪非出品ですよ。

大阪初出品の ≪ 手紙を書く女 ≫ も初来日の ≪ 取り持ち女 ≫ も好きではないのでフェルメール展としてはハズレでしたが、ハブリエル・メツーの ≪ 手紙を書く男 ≫ が格好良かったので幸せです。
対になっている ≪ 手紙を読む女 ≫ は今一つでしたが ……。
あとヘラルト・ダウの ≪ 本を読む老女 ≫ も、本物は良かったのですが、絵葉書が別物に見える …… と思いながら買いました。
( 残念ながらよくある現象です )

フェルメールの絵葉書は、兵庫県で開催されていた複製原画展で、盗まれたまま現在も行方不明の一作を含む全種類をセットで買った記憶があります。

2. コレクション展感想

コレクション展看板
コレクション展は中国絵画と仏像でした。
仏像はさっぱり分からないので、感想は中国絵画のみ。

中国絵画を初めてしっかり見た和泉市 久保惣 美術館の印象からか、ピンクの牡丹をイメージしてしまいます。
参考リンク: 中国近代絵画の魅力 展

今回も画家の名前は覚えられませんが、すごく綺麗でした。
どこかで中国の画家の特別展やってくれないかなぁ。
しかし一階のフェルメール展との人数の差が「美術好き」と「ミーハー」の違いだと思いました。
図録も何もないので、気に入った作品名と画家の名前を書いておきます。
≪ 花鳥図冊 ≫ 高其
罌粟けし図 ≫ 王武:添付写真の絵

3. 次回開催

次は浮世絵らしいので行かない予定です。
浮世絵はあんまり興味ない割にはあちこちで見ているので、さすがに良いかなと思います。
…… 時間があったら行くかもしれません。

4. 現代パステル協会関西展

現代パステル協会関西展

地下展示場で 『 現代パステル協会関西展 』と書いてあったので、ついでに見ました。
今回は第三十一回目だそう。
無名画家の公募展なのに有料開催というのは驚きましたが、なかなか綺麗な作品が多くて良かったです。
写真撮影ができるので、気に入った作品を撮っていたら、途中でデジカメの容量がなくなってしまい、慌てて整理しました。
一度も削除した事がなかったのですが、手ブレした写真も残っていました。
添付は奥村 陽三郎 ≪ 影 ≫ です。
…… パステルってすごいですね。

5. 水彩連盟展 大阪巡回展

水彩連盟展チラシ
同じく地下展示場、『 現代パステル協会関西展 』の隣で開催されていた、『 水彩連盟展 大阪巡回展 』 の感想です。
こちらも無名画家の公募展を有料開催です。
水彩の定義が分からなくなる作品ばかりだったのですが、次回募集要項を読む限り、「 水彩 」 絵の具ではなく 「 水溶性 」 絵の具らしいので、アクリル絵の具やポスターカラーなども混ざっているようですね。
「 図録があるなら写真撮らなくて良いやー」 と思っていたら、図録が五回分まとめてしか出ないそうです。
今回は七十八回目なので、次は八十回の時に出るそう。
二年後でしょうか。

会場が撮影禁止だったので、添付は次回募集要項のチラシより、すごく綺麗だった髙沢 郁子の作品です。
前回の作品なのか、今回出品されていた絵とは少し違います。
雰囲気が全く同じだったので連作かもしれませんね。
花鳥風月

京都伊勢丹の館内にある美術館「えき 」 で開催していた、「 京都市美術館 所蔵品展 ー 花鳥風月 ー」 へ、一月十九日土曜日の夜に行きました。
こんにちは、和美です。
Mastdonの美術関係用アカウントでトゥートした文章を元に清書しましたが、手元に図録がないので細かい感想はありません。
……同じ日に東京のムンク展にも行ったのですが、感想記事はありません。

【目次】

  1. 京都市美術館
  2. 感想

1. 京都市美術館

今回の特別展は、美術館がある京都市内にある、京都市美術館の所蔵品展です。
京都市美術館は、二〇十九年内中の再開を目指して、現在建て替え工事のため閉館中。
そんな貸し出し特別展です。
第二回目となる今回は、新春( 年明け )なので、晴れやかな 『 花鳥風月 』 が主題との事。
第一回目は着物美人が主題だったそうです。
…… 記憶にないので、もしや見逃してしまったのでしょうか ……。

京都市美術館は職員の態度が悪くて個人的に嫌いなので、嫌な思いをせずに作品だけを見られるだなんて最高だと思います。
もう二度と開館しなくて良いよとすら思ってしまいます。

ちなみに京都市美術館は、時折ニュースに状況が出るのですが。
建物の外、敷地内にある高さ10m程の立体美術作品を、「 切断して移動させる ( 切断した後繋げられるかどうかは不明 )」 という発言が館長か副館長から出た程に、芸術に対して無知な連中がいるようです。
なお、存命である立体美術作品を作った作家本人から、「 搬入できたのだから移動も可能なはず。作品にはあの高さが必要不可欠。切断しては作品に込めた意味がなくなる 」 と強い抗議も出されました。

2. 感想

竹内 栖鳳せいほうの ≪ 驟雨しゅうう一過 ≫ という雨上がりの鴉の絵が素晴らしかったです。
和美は竹内 栖鳳に限らず、日本画の鴉の絵が全般的に好きな傾向があります。

堂本印象の二曲一双の屏風 ≪ 松楓 和鶴 ≫
鶴に松というよくある画題を魅力ある絵に仕立て上げられる、というのは技術なのかセンスなのか。と疑問です。
和美にはどちらもありません。

「 綺麗だなー。帯とかに良さそうだなー」 と思いながら見ていた、山鹿 清華の ≪ 手織錦大和之薫図 ≫ という刺繍作品は解説に「婚礼用の丸帯」と書いてあり、やっぱりかと得心したのですが、丸帯って何……?という新たな疑問が湧きました。
調べたところ、儀式用に少しだけ残る古い帯の形式だそう。
…… 題名を打って気づきましたが、手織りなのですね ……。

ずっと興味だけは絶えない文人画家:富岡 鉄斎は、出展が ≪ 雪月花茶誌書 ≫ という題名の、二曲一双の屏風に仕立てられた書だったのでよく分かりません。

解説に 「 鈴木派の開祖百年 」 とあり、一瞬 「 百周年 」 の意味に取ってしまったのですが、鈴木百年( という名前の画家 ) の事だと分かりました ……。
鈴木 百年もその子供もすごいですね。
自分の語彙力が足りなくて、感動が伝えられません。
フォーエバー現代美術館
開館一周年が最後の特別展という、京都にあった 「 フォーエバー現代美術館 」 に行きました。
こんにちは、和美です。
行ったのは二月二十四日ですが、図録がないので記憶を頼りに感想記事です。

【目次】

  1. きっかけ
  2. フォーエバー現代美術館
  3. 美術館の感想
  4. 特別展の感想
  5. 畳と美術鑑賞
  6. その後

1. きっかけ

フォーエバー現代美術館
京都の伊勢丹にある館内美術館「えき」に行って、フォーエバー現代美術館が二月末で閉館だと知りました。
つい最近開館したばかりだったような気がしながらも、東京にあったスヌーピー美術館のように元から期間限定の予定だったのかな、と類推していました。
主な収蔵品が草間 彌生である、という事から常に混雑しているように感じてしまったのですが、閉館する前に行く事に決めました。

ちなみに草間 彌生やよいは、過去に行った 『 LOVE 』 展という、多数の作家作品が出品されている特別展で、唯一写真撮影が可能だった作家、という思い出のために割と好きな作家です。
参考リンク:LOVE展他:美術館三軒

2. フォーエバー現代美術館

上述の通り、「 元から期間限定の予定だったのかな 」 と類推したのですが、一応調べてみました。

二〇十七年六月より期間限定で開館。
登録有形文化財である美術館の建物の賃貸借契約が満了するため閉館。
( 公式サイトより抜粋 )
という事で、予想通り期間限定の開館だったようです。
ただし、

開館一周年記念として、最後の特別展は三室だった常設展示室に二室を追加して、合計五室でグランドオープン。
( 同じく公式サイトより抜粋 )
ともあり、開館一周年で最後の特別展だけ拡大開催という、よく分からない会場でした ……。

いつまで存在し続けるか分かりませんが、一応公式サイトです:フォーエバー現代美術館

なお、写真に撮った挨拶と解説を読み返したところ、秋田県に本館の 『 フォーエバー現代美術館 』 があり、分館として京都に開館したようです。
蒐集家は医者の父と、同じく医者で蒐集も跡を継いだ娘との事。

フォーエバー現代美術館

3. 美術館の感想

時々撮影可能エリアがあったのにも関わらず、デジカメを持って来るのを忘れてしまってショックでした……。
この特別展が閉館記念なので、幸か不幸か二度と来られません。

障子の穴を塞ぐために全面貼り替えではなく、障子を切って一マスだけ貼り合わせているなど、修繕が雑なのが目につきました。
格子天井ではなかったのも後世の改変でしょうか。

4. 特別展の感想

草間 彌生
特別展の題名が 「 草間 彌生 永遠の南瓜 」 とついていた割には南瓜が少なく、草間 彌生の創作活動を俯瞰できる程バリエーション豊かではない、という中途半端な出品内容でした。
個人蒐集の悪い面ですね。
『 自分の代になってからは、草間彌生の活動が俯瞰できるように蒐集内容を充実させた 』 と挨拶にはありましたが……。
出品目録に各章の解説が書かれていたのは良かったのですが、特別展の冒頭に掲示されている挨拶はありませんでした。

全六章の中で唯一、建物の二階に展示されていた第四章が花の絵で割と好みでした。

草間彌生

草間 彌生の作品は大半がシルクスクリーンです。
シルクスクリーンは版画の技法の一種なので、同じ作品が何枚もあり、作品の端に何枚刷ったかの合計と、そのうちの何枚目かが書き入れられています。
( 大抵なぜか鉛筆です。同時に作家のサインも入る事が多い )
展示されていた絵のうち、初期作品は百分の九十番台などの終盤だったのに対し、他の部屋で八分の一と異様に少ない枚数の作品がありました。
その作品は人気が出ないと思ったのか、何となく作らなかったのか、何か他の理由があって枚数が少ないのかが気になります。

南瓜の中では、第四章か第五章に少しだけあった、シルクスクリーンではなくエッチングの作品が好きでした。
ベタ塗りのシルクスクリーンに対し、エッチングは色の濃淡があって、私はぼかした背景が好きだなと思い出しました。

5. 畳と美術鑑賞

冒頭の挨拶文に、「 畳の上で鑑賞できるようにした 」 と書いてあったので、帰る間際に、一階で一番好みだった作品で一度試してみました。
当然、立っている時と目線と座った時の目線の高さは違います。
なのに、作品は立っている時の目線に合わせて展示されていたので、座ると作品を見上げる形になってしまい、長時間は見ていられませんでした。

あと、芸術作品を畳に座って鑑賞するというと、壁に貼るより文机に置いて手元で鑑賞する印象があります。
巻物は文机で少しずつ広げながら鑑賞されていた、と泉屋博古館でも紹介されていましたし。
日本家屋の壁は土で塗られているので何かを貼るには不向きで、壁に貼るなら掛け軸の高さが限界だと思いました。

草間彌生

6. その後

帰りに近鉄電車で嫌な目に遭わされました ……。
という話はさておき。
( 近鉄バッファローズを潰した時から、近鉄には嫌な印象しかありません。だから赤字なんですね )

帰りに、チラシでは見るけどどこにあるのか分からなかった「 京都浮世絵美術館 」を初めて見つけました。
狭いビルの二階なので、かなり小規模のようですね。
余程興味のある告知を見つけない限りは期待しない方が良さそうだなぁ、と思いました ……。

永遠の南瓜
こちらは館内喫茶店で売っていた和菓子です。

昨二〇十八年の十二月十六日、京都市立近代美術館で開催されていた、『 没後五十周年 藤田 嗣治 展 』 に行きました。
こんにちは、和美です。
今さらの美術館鑑賞記事です。

【目次】

  1. 藤田嗣治とは
  2. 洗礼と信仰
  3. 恋愛
  4. 自画像

1. 藤田嗣治とは

藤田 嗣治つぐはるは、ピカソと同じ時代に生きた、日本の洋画家です。
陶器のように白い肌の女性の絵が有名で、 一群の作品は『 乳白色の時代 』と呼ばれます。
欧州で画家としての地位を確立させた後、一度日本に帰国していますが、日本の画壇と相容れず、再度欧州に渡ってそのまま客死しました。
キリスト教信者で、洗礼名から『 レオナール・フジタ 』と表記される事も多いですが、れっきとした日本人です。

2. 洗礼と信仰


藤田嗣治といえば 『 乳白色の時代 』 と呼ばれる白っぽい肌の女性像が最も有名です。
今回初めて見た、晩年にフランスに戻って洗礼を受けた前後辺りが一番好みでした。
藤田嗣治は、洗礼名から作者名を 『 レオナール・フジタ 』と表記される事も多いのですが。
呼び名の知名度の割には、洗礼を受けたのは案外遅かったようです。
キリスト教の絵は自分の信仰心を表すために描いていたという説明もあり、商業的ではないというか。
画家の一生を語る時に分けられる、序盤、最盛期の後にある最後の『 円熟期 』 というのはこういう作品群なんだろうかと感じました。
添付の画像は ≪ カフェ ≫ です。

3. 恋愛

渡仏前に結婚した相手と渡仏中に離婚した後、モデルなど三人ほど交際や事実婚を繰り返しているのですが、最後に選んだのが日本人という辺りに、日本人というか人種の性のようなものを見た気がしました。
いや 「 理想は、アメリカの給料を貰い、中国人のコックを雇い、イギリスの家に住み、日本人の妻を持つこと 」 ということわざがある程なので、理想は理想なのかなとも思いますが ……。

4. 自画像


藤田嗣治は特別好きでもないのに時々見に行っていたのですが。
(好きでもない画家でも、見に行ったらそれなりに好みの作品に出会えるのです)
今回初めて見た、渡仏前の自画像がすごく男前で驚きました。

藤田嗣治といえば、おかっぱ頭に丸縁のダサ眼鏡を掛けた自画像や写真が固定イメージとして有名です。
なので、それ以外の髪型をしていた時があったという想像もつかなかったのですが。
何を思ってあんなダサい格好をしていたのかと不思議です ……。
絵画鑑賞が趣味な父にそんな話をしたところ、「 画業に熱中するために、余計な人が近寄って来ないようにしていたのでは 」という推論が出ました。
( その割には恋多き人でしたが ……)

近年に丸縁眼鏡が流行した理由は、ものすごく可愛い女の子かものすごく綺麗な女性が 「 こんなにダサい眼鏡を掛けても可愛い私 ♡」 という意味で始めたのを、全く可愛くも綺麗でもない人達が真似しているだけ、と聞いたのを思い出します。
( 二次元でも現実でも、縁ありの眼鏡が似合う人はこの世の中に存在しません )

5. 猫


藤田 嗣治は上の写真でも飼い猫を抱っこしている通り猫が好きだったようで、ポスターにも猫を抱いた写真が使われていました。
ただ、特別展のために誰かが描いたらしいイラストの横にいる猫は 「 せめて猫の柄ぐらいは本物に合わせてほしいなぁ ……」と思いました。
最近、特別展に作者や代表作を元にしたイラストが添えられている事が増えましたが、そんなくだらないところに予算を使うぐらいなら、一種類でもグッズを増やしてほしいです。
ちなみに一作だけ、犬の絵も出ていました。
添付写真は ≪ 争闘(猫) ≫ です。
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書いている人:七海 和美
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更新少な目なサイトの1コンテンツだったはずが、独立コンテンツに。
PV数より共感が欲しい。
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